ニュル名物STIカレーはメカニックの深夜の活力
ドイツ在住のモータージャーナリスト・池ノ内みどりさんが、毎年取材に訪れるニュルブルクリンク24時間レース。レースそのものの取材もありますが、各チームの特色などもピックアップしようと駆け回っています。そのひとつがスバルSTIチームのカレー。スタッフ自らの手作りで、約30人からのチームスタッフの胃袋と心を満たしています。
男厨広報部宣伝部長こだわりの飴色玉ねぎ炒めに秘密があった!
いつ頃から作られているのかは不明ですが、STIでは深夜にパドックのテントの中でスタッフの方がカレーを作って、お夜食としてチームの皆さまへ振る舞われるのが恒例となっています。
今年も恒例のカレーの下ごしらえが始まっていると聞きつけて、仕込みの様子を見に行ってみました。お料理が趣味でこだわり派の料理男子の広報部宣伝部長の篠田さんがリーダーとなり、同部員の三原さんと協力して手早く野菜を刻みます。STIチームを現地で支えるコーディネーターのダニーさんの次男でチームのマスコットボーイ的な存在のダニエルくん9歳も玉ねぎの皮を剥く作業をお手伝い。
篠田さんのカレーのこだわりは、細かく刻んだ玉ねぎをオリーブオイルで飴色になるまでじっくり炒める事!大きなお鍋の中に入ったたっぷりの玉ねぎを焦がさないように根気よく炒めていました。ただ炒めたり煮込むのに重要なコンロの火力が非常に弱いとのことで、スバルのドイツ支社の社員さんの私物だという電子レンジでじゃがいもと人参を先に加熱しておく時短調理です。

隠し味はホールトマト缶!担当者ごとに異なるカレールーのレシピ
大きなお鍋にあったかなりの量の玉ねぎはしんなりとなり、飴色になってきました。そこへどど~んと牛豚の合い挽肉1㎏を投入!ハードワークのみなさんにはガッツリお肉はとても嬉しいでしょうね。塊肉をじっくり煮込む時間がないサーキットでは挽肉は時短調理に便利ですよね。
STIに代々伝わる隠し味のひとつがホールトマト缶ですが、カレーを作る方や製法が多少変化してもこのホールトマト缶の隠し味は初代から受け継がれているそうです。今年は4種のルーをミックス。何種類のルーをミックスするかは、代々作る方によっても異なります。
腹ペコの約30人前のカレー用のご飯はまず10合を炊き、時差で追加分を炊かれたのだとか。マシンがコースへ完全復帰して、次のピットインまでの少しの時間を利用して順番にチームの方が美味しそうなカレーの匂いに誘われてテントの中へ。集中した深夜の力作業の後はさぞかしお腹がペコペコだったことでしょうね。
伝統でもあるSTIのカレーには、ニュルのコース図のクッキー型で抜いたチーズも載っているのがトレードマーク。今年は深夜のカレーではなく、朝カレーとなりましたがチームのみなさんの胃とココロを暖かく満たしてくれた事は間違いありませんね。
ニュルカレーを作る方は代替わりしても、そのカレーに込められた深い愛情やチーム団結への想いは確実に受け継がれていっています。さて、来年はどんなカレーになるのでしょうね!




































































