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FIA GT選手権GT1クラスを席巻したメルセデス・ベンツ「CLK-GTR」の実力

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TEXT: 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)  PHOTO: Mercedes-Benz AG

  • メルセデス・ベンツ CLK
  • メルセデス・ベンツ CLK
  • メルセデス・ベンツ CLK‐GTR:モータースポーツパートナーのAMGと非常に短期間の128日で共同開発・製造された
  • メルセデス ベンツ CLK-GTR:モータースポーツパートナーのAMGと非常に短期間の128日で共同開発・製造された
  • メルセデス・ベンツ CLK‐GTR:モータースポーツパートナーのAMGと非常に短期間の128日で共同開発・製造された
  • メルセデス・ベンツ CLK‐GTR:モータースポーツパートナーのAMGと非常に短期間の128日で共同開発・製造された
  • メルセデス・ベンツ CLK‐GTR:モータースポーツパートナーのAMGと非常に短期間の128日で共同開発・製造された
  • メルセデス ベンツ CLK‐GTR:エンジンは6L V8気筒48バルブ 631psを発揮するエンジンをミッドシップに搭載
  • ベルント・シュナイダーは1997年のFIA-GT選手権に参戦し1997年のFIA-GTチャンピオンに輝いた
  • メルセデス・ベンツ CLK‐GTR:1997年6月29日、ベルント・シュナイダー/クラウス・ルートヴィヒ組はニュルブルクリンク4時間レースで最速タイムを記録するなど快走し優勝。またチームメイトのアレッサンドロ・ナンニーニ/とマルセル・ティーマン組が2位に入り、CLK-GTRは見事1・2フニュシュを達成。写真は激闘のレース
  • メルセデス・ベンツ CLK‐GTR:1997年、10月19日のセブリングと10月26日のラグナ・セカの2レースとも、ベルント・シュナイダー/クラウス・ルートヴィヒ組がCLK-GTRを駆って優勝。写真は10月26日、ラグナ・セカ(米国カリフォルニア州)を滑走するベルント・シュナイダー
  • メルセデス ベンツ CLK‐GTR:ベルント・シュナイダーが1997年のFIA-GTチャンピオンに輝いた
  • メルセデス ベンツ CLK‐LM:1997年のFIA GT選手権優勝車となったCLK-GTR(ベルント・シュナイダー)
  • メルセデス ベンツ CLK‐LM:1998年FIA GT選手権の開幕当初、チームAMGメルセデスは成功を収めたCLK-GTRを投入。写真は1998年開幕当時のチームで左からクリストフ・ブシュー、ベルント・マインダー、マルセル・ティーマン、ジャン・マルク・グーノン、マーク・ウェバー、クラウス・ルートヴィヒ、ベルント・シュナイダー、リカルド・ゾンタ
  • 1998年4月12日にオッシャースレーベンで開催された開幕戦では、1997年に成功を収めたCLK-GTRでチームAMGメルセデスが優勝した。写真は優勝者のクラウス・ルートヴィヒ/リカルド・ゾンタ
  • メルセデス ベンツ CLK‐LM:1998年5月17日、シルバーストーンでのFIA GTレース「ブリティッシュ・エンパイパント・トロフィー」でベルント・シュナイダー/マーク・ウェバー組がCLK-GTRでレースを制した(カーNo.1)
  • メルセデス・ベンツ CLK-LMのインパネ
  • メルセデス ベンツ CLK‐LM:1998年シーズンの第3戦以降及びル・マン24時間レースにはレギレーションによる出力制限に対応し、CLK-LMはV12気筒からV8気筒に換装された
  • メルセデス ベンツ CLK‐LM:1998年ル・マン24時間耐久レースにCLK-LMで出場チーム。外観上ほとんど区別がつかないこのCLK-LMはル・マン24時間レースのために開発され、CLK-LMというワークスマシンで1998年の6月ル・マン24時間に戻ってきた時には大きな注目を浴びた。写真は左から右;クラウス・ルートヴィヒ、ベルント・シュナイダー、マーク・ウェバー、ジャン・マルク・グーノン、クリストフ・ブシュー、リカルド・ゾンタ
  • メルセデス ベンツ CLK‐LM:1988年FIA GT選手権。クラウス・ルートヴィヒ/リカルド・ゾンタ組は、CLK-LMでドライバーズチャンピオンを獲得した。写真は1998年10月25日、カリフォルニア州ラグナ・セカでのシーズン最終戦
  • メルセデス ベンツ CLK‐GTRロードカー:1999年はGT1カテゴリーが消滅し、CLK-LMはル・マンGPプロトタイプ(LMGTP)のメルセデス・ベンツCLRに進化した
  • メルセデス ベンツ CLK‐GTRロードスター:通常バージョンの市販が一定数に達した段階の2002年にはV12気筒エンジンを搭載したオープントップのCLK-GTRロードスターも登場した
  • メルセデス ベンツ CLK‐GTRロードスター:通常バージョンの市販が一定数に達した段階の2002年にはV-12気筒エンジンを搭載したオープントップのCLK-GTRロードスターも登場した
  • メルセデス・ベンツ CLK‐GTR
  • メルセデス・ベンツ CLK‐GTR
  • メルセデス・ベンツ CLK‐GTR

GT1クラスで初年度は11戦中6勝!2年目で全勝とあまりにも強すぎた

グランツーリスモベースのスポーツカーレース・BPRグローバルGTシリーズの後継として1997年にFIA GT選手権が創設されたとき、メルセデス・ベンツは新しいFIA GTレーシングツーリングカーであるCLK-GTRで参戦しました。今回はわずか128日という短期間でパートナーのAMGと共同開発したCLK-GTRにスポットを当て紹介します。

総合性能が問われるGTカーレースはチーム力も重要

FIAの定めるGTカーとは、クローズかオープンの2ドアボディで公道を走れるロードカーをベースとしなければならない。レースは、クラス1のマシンとクラス2(400ps以内)のマシンの混走で争われる。両クラスともエンジン排気量は自然吸気で2~8L未満、ターボで2~4L未満。クラス別にエンジン型式、車両重量に応じて吸気の流入を制限するリストリクターが装着される。

結果的に各マシンのエンジンパワーは拮抗し、総合性能の高さが問われるシビアなレースとなる。とくに、レースは長い距離で争うため、ドライバー交代のタイミングとメカニックのサポートなど、なによりもチームワークが重要となる。

AMGは製造を任されてから約2週間でエンジンテストを開始

FIA GT選手権で活躍したこのCLK-GTRは、モータースポーツパートナーのAMGと共同開発・製造された。丸目4灯が特徴である市販車のC208型CLKに由来したシルエットをあしらったこのCLK-GTRは、わずか128日という短期間で開発・製造された。

AMGは1996年12月5日に車両の製造を任され、12月21日には搭載する6L V12気筒48バルブエンジンの最初の試験をテストベンチで行った。その2日後、AMGはカーボンファイバーとケブラーのラミネートで作られた安全モノコックボディを製作。最初の車両は1997年3月26日にミッドシップ・レイアウトで完成し、その2日後にはスペイン・マドリード近郊にあるサーキット・デル・ハラマで、後の世界チャンピオンであるベルント・シュナイダーによって最初のテストドライブが行われた。

この量産ロードカーは、ホモロゲーション取得のため25台限定で公道走行可能なスーパースポーツカーとして製造された。

快進撃が止まらない!CLK-GTRが連続1-2フィニッシュ

1997年シーズンのドライバーには、ベルント・シュナイダー(1995年DTMチャンピオン)に加え、クラウス・ルートヴィヒ(1992年と1994年のDTMチャンピオン)も名を連ね、ツーリングカーで大成功を収めたふたりのエキスパートがチャンピオンシップを争った。

5月11日のベルント・シュナイダー/アレクサンダー・ヴルツ組は、シルバーストーン・サーキット(イギリス)で開催された大英帝国トロフィーで2位に入賞。続く6月29日、ベルント・シュナイダー/クラウス・ルートヴィヒ組はニュルブルクリンク4時間レースで最速タイムを記録するなど快走して優勝した。またチームメイトのアレッサンドロ・ナンニーニ/マルセル・ティーマン組が2位に入り、CLK-GTRは見事1・2フニュシュを達成する。その後も7月20日のスパ・フランコルシャン、8月3日のオーストリア・シュピールベルクと1−2フィニッシュの快進撃は続く。

1997年FIA GT選手権でAMGメルセデスがコンストラクターズタイトルを獲得

8月24日に行われた日本の鈴鹿サーキット戦では、ベルント・シュナイダー/アレッサンドロ・ナニーニ組が優勝。9月14日イギリスのドニントンでの4時間レースでは1位、2位、4位とトップ5の3台をCLK-GTRが占める。そして10月19日のセブリングと10月26日のラグナ・セカの2レースとも、ベルント・シュナイダー/クラウス・ルートヴィヒ組が優勝。ベルント・シュナイダーにとっては、メルセデス・ベンツで2度目のチャンピオンシップ獲得であった。

結果、1997年のFIA GT選手権でCLK-GTRは全11戦中6勝を挙げ、AMGメルセデスチームがコンストラクターズタイトルを獲得した。

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