2025年ニュルも不変のSTIスタイルと来年に向けた若手育成を推進
ドイツ在住のモータージャーナリスト・池ノ内みどりさんが、毎年取材に訪れるニュルブルクリンク24時間レース。レース後の心地よい眠りの後は、ニュル近郊のアーデナウの町の中心地あるスバルSTIのガレージを表敬訪問。前日までの長い過酷なレースを終えたばかりの翌朝でも、チームスタッフが疲れた様子を見せることなく爽やかな笑顔での撤収作業に驚いたようです。
強いチーム力でスタッフ全員でゴールを目指すSTI魂
辰己英治前総監督が昨年いっぱいでの勇退後、沢田拓監督に世代交代した新生STIチームがスタート。変わらずにSTIスピリッツは継承されています。ニュルでのプロジェクトが正式に始動した2009年の最初のチームウェアからいまも左腕に『心』と刻印されているように、モータースポーツはチームワークなしでは成り立ちませんから、『心』を通わせ、『心』をひとつに今年もゴールをチーム全員で見守り、その瞬間を分かち合いました。
2025年大会では深夜にティム・シュリック選手のスティント中に不慮の大クラッシュが起きてしまい、長時間に渡る修理作業が行われました。その様子はピットの中で拝見しましたが、かなり大きな板金作業の音が鳴り響く相当大掛かりな修復だったと思います。沢田監督の下、若手のディーラーメカニックからベテランの方まで、力を合わせてマシンを再びコース上へ戻されました。
それだけに感動的なゴールシーンでは感極まって目頭を押さえる方もいました。ディーラーメカニックのみなさんにとって、ここでの経験は日本全国で日々顧客ユーザーさんの愛車整備の際にも大きな誇りと自信となることでしょう。スバルユーザーの方にとってもそんな頼もしいメカニックが整備や修理を担当してくれてるのは、嬉しいに違いありませんね。

若手の現場経験値を高めて人材育成に力を入れる
レース翌朝の荷下ろしの作業は、ニュルのパドックから大型トラックのトランスポーターやバスに積み込んで持ち帰った機材はガレージで下ろして、レーシングカーを日本へ空輸で戻し、パーツ類はコンテナに積み替えて船便を使います。
この荷下ろしの時間には久保凛太郎・佐々木孝太両選手のほか、今回はSTIのチームフォトグラファーとして帯同されていた熱田譲さんもいらっしゃいました。沢田監督のチームへ向けたご挨拶の後は、各自帰国の途へ着かれました。来年のニュル24時間レースは5月の開催です。今年のレース中に起きたクラッシュでマシンが負ったダメージの修理や来年に向けての開発・アップデートが待っています。
沢田監督になって体制にも手が加えられたそうで、若手スタッフになるべく多くのニュルの現場を体験できるように、人材育成に力を入れているとのこと。辰己元総監督の愛弟子でもある沢田監督率いる今後のSTIのニュルの活動にも目が離せませんね!
今年もスバルツアーで日本からも多くのみなさんが応援にいらしていましたが、現地のSTIファンも多く見掛けました。ドイツでは『スバリスト』ではなく、『スビー』と呼ばれるスバルファン。国境を越え、異国の地で奮闘する日本チームを応援してくれる事は本当に光栄なことです。










































