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ゲリラ豪雨で道路が冠水!通過するときは波が立たないように「焦らず」一定速度で「ゆっくり」が基本!

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TEXT: 萩原文博(HAGIHARA Fumihiro)  PHOTO: 萩原文博(HAGIWARA Fumihiro)、国土交通省

  • 夜は特に冠水している部分がわかりにくいので注意したい
  • 冠水しやすい場所にはこのような表示板がある
  • 国土交通省が紹介している冠水した場所を走行する際に注意点
  • 幹線道路でも周囲が高台に囲われていると、そこから流れてきた水で冠水していまうことがある
  • 冠水していても、水深が浅そうに見えて侵入してしまう例が多い。壁など周囲の建造物から水深を判断したい。冠水路を発見したら、まずは最徐行だ
  • 筆者の近くにある小田急線のアンダーパス。身近に冠水スポットは水没していた

集中豪雨時にもっとも注意すべきはアンダーパス!

気候温暖化の影響なのか、日本では台風や秋雨前線の影響で、短時間に大量の雨がふる集中豪雨が全国各地で発生しています。先日も東京や三重県の集中豪雨によってクルマが冠水した道路で立ち往生するという事案がありました。集中豪雨などで道路が冠水した場合、どのように走行すれば良いのでしょうか。

マフラーが隠れてしまうほどの水深はエンジン停止の危険領域

台風や活発な秋雨前線の影響で、日本各地で大雨による被害が発生している。つい先日も、東京の都心部で1時間に100mmを超える集中豪雨があり、広範囲で道路が冠水した。じつは筆者の自宅近くにもテレビなどで報道される冠水スポットのアンダーパスがあるのだが、予想どおり冠水し通行止めとなっていた。さらに高台に囲まれた土地は、河川がそばになくても周囲からの水が集中して、広い主要幹線道路でも冠水してしまうことがある。

このように冠水した場所をクルマで走行しないことが一番だが、万が一冠水した道路を通過しなければならないとき、どのように走行すれば良いのか、冠水路がクルマにどのような影響を与えるのかを紹介しよう。

クルマが冠水した道路を走行した場合に発生する不具合について、国土交通省によると水深が床面を超えると、車内に浸水して電気装置が故障する可能性があること。またマフラーから浸水してエンジン内部が損傷するおそれがあると警鐘を鳴らしている。

加えて冠水した道路を走行してエンジンが止まってしまう原因は大きく次の3点を挙げている。

①エンジンに空気を取り込む吸気口が水によって詰まる

②排気ガスを排出するマフラーや排気管の水詰まり

③電気系まわりのショートもしくはショートを感知してエンジンを停止制御してしまう

一般的にエンジンを搭載しているクルマはガソリンなどの燃料と空気を混合させて点火させ走行する。冠水した道路を走行すると空気の取り入れ口である吸気口がふさがってしまいエンジンに空気が送られなくなり、エンジンが止まってしまう。

エンジンの吸気口は一般的にエンジンルームの高い位置にレイアウトされているが、その高さはクルマのボディタイプによっても異なる。最低地上高に余裕のあるSUVは吸気口の位置も高くなる傾向があり、なかでもレンジローバー「ディフェンダー」は水深90cm〜100cmでも走行できる高い渡河性能を備えている。

一般的には水深30cmでも速度やボディタイプによってエンジンルームに水が入り、吸気口を塞いでしまい、エンジンルームにある電気機器がショートするなどしてエンジンが止まってしまう。また吸気口だけでなく、排気ガスを排出するマフラーからも水が入り排気管が水詰まってしまってもエンジンは止まってしまう。

冠水した道路は止まらずユックリ通過する

では冠水した道路を走行する場合、何に気をつければ良いのだろうか。まず冠水した道路を通過する場合は、早く脱出したいという気持ちを抑えて波を立てたり、水をはねたりしないようにゆっくりと走ることが大切だ。

その際は、できるだけ低いギヤで走行しエンジン回転数を高めて速度を一定に走行するのがポイントとなる。エンジン回転数を上げれば、マフラーから排出されるガスの勢いが出るため水の浸入を抑えることができる。そして、前走車との車間を開けて停車しないように心がけることが大切なポイントだ。また焦って、スピードを出して冠水した道路を抜けようとすると、波が立って吸気口を塞いだり、エンジンルーム内の電気系統に水が侵入してトラブルの原因となるので注意したい。

またタイヤが完全に水没するような水深では車体が浮いて走行することが困難になる。水深がドアの下端にかかる高さまであると車外からの水圧でドアを開けることが困難となり、ドアの高さ半分を超えると内側からほぼ開けられなくなる。

このような状態になったら窓を電動で開けられないので、脱出用ハンマーでガラスを割って脱出することとなる。

脱出用ハンマーで割ることができない合わせガラス

ほとんどのクルマがフロントガラスに合わせガラスを採用している。合わせガラスというのは、2枚の特殊なフィルム(中間膜)を介して接着しているタイプで強化ガラスのように粉々に割れない構造だから、飛び石が当たってもヒビが入る程度で済むわけだ。

ところがこの中間膜を破ることが非常に難しく、脱出用ハンマーなどで叩いてもヒビは入っても割れにくいため緊急脱出はできない。

ガラスを割って車内から脱出するときは、強化ガラスを使用するドアのガラスやリアガラスを脱出用ハンマーなどで叩くと簡単にバラバラと砕けるように割れる。ただし、一部の車種でフロントのドアガラスに合わせガラスが使用されていることもある。事前に自分のクルマのガラスについて調べておきたい。

また、ガラスを割るときは脱出用ハンマーをガラス中央部ではなく端に当てるのもポイント。中央部を叩くとハンマーがガラスを突き抜けて破片で腕を怪我する可能性がある。また、端ならドアの内張りにハンマーの柄が当たって突き抜けにくくなる。

さらに、ガラスは入力があると放射線状に力が分散するので、端を叩くことで分散する力の行き場がなくなり小さな力でも割れやすくなる。つまり窓枠のそばを叩くのが正しい。ただし、湾曲したリヤガラスなどは、叩いたところとはまったく反対側で外側に噴火したみたいにガラスが飛散することもあるので注意したい。

もし、ガラスが割れない場合でも焦る必要はない。浸水によって、車内外の水位が同程度になるとドアが開く可能性が高まるからだ。こういったポイントを知っていると知らないでは万一のときの大きな分岐点となる。

台風シーズンが本格化する前に大事な愛車を廃車にしないために、事前に自宅周辺の冠水しやすい場所や冠水しやすい道路などをハザードマップなどで調べておくこともオススメしたい。

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