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マフラーからの白煙はエンジン内部の摩耗が原因!最悪は廃車になってしまうことも

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: AMW/PHOTO AC

  • 維持費用節約のためにオイル交換を疎かにする例も見受けられるが、結果として高い代償になる
  • マフラーから白煙が出ることがある。水蒸気との見分けがむずかしいが、オイルが燃えているときはエンジンが温まっても白煙は消えにくい
  • 最近のエンジンは精度が高くても、オイル管理を怠ると劣化は早まる
  • 長い距離を走行してエンジン内部のパーツが摩耗すると、オーバーホールも視野に入れないといけない
  • オイル上がりの主な原因はピストンリングの摩耗だ。オイル交換を怠ると、ピストンまわりにカーボンが付着してオイルリングの作動を妨げることもある
  • 維持費用節約のためにオイル交換を疎かにする例も見受けられるが、結果として高い代償になる

エンジン各部の摩耗は避けられないからこそメンテが重要

ときとしてマフラーから白煙が出ることがあります。じつはオイルが燃えているサインで、「オイル上がり」や「オイル下がり」と呼ばれる故障です。どちらもエンジン内部の摩耗によって起こり、修理には高い費用がかかります。精度が高い最近のエンジンでも、オイル管理を怠ると劣化は早まります。定期的な点検とオイル交換こそ、エンジンを長持ちさせる1番のポイントです。

マフラーからの「白煙」はエンジンの気密性が低下してオイルが燃えている

走行距離がかさむほどにエンジンの摩耗は確実に進んでいく。高い潤滑性を持つオイルを使用しても進行スピードが遅くなるだけで、金属同士が擦れる状態(メタルタッチ)は防げないからだ。摩耗が進んで整備書で定められている限界値を超えればオーバーホールの時期となるし、実際の症状として騒音が大きくなったり、マフラーから白煙が出る場合も同様である。

最近のエンジンは素材が良くなっているうえに、各部の精度もよくなっているためオーバーホール時期を迎えるには相当長い時間かかるが、オイル管理を怠ると想像以上に各部の磨耗は進むので注意が必要だ。

今回は目で見てわかるエンジンの摩耗について説明しよう。それはマフラーからの白煙だ。エンジンオイルがシリンダー内に入り込み、燃料とともに燃えている証である。こうなるとオイルの量も減りが早まるため、エンジンにとってまったく良いことはない。ちなみにガソリン車でも黒煙を吐くことがあるが、これは燃料が正規よりも濃いのが理由で、同じ煙でも原因は異なる。

ひと口に気密性の低下でオイルがシリンダー内に入り込むと言っても経路はふたつある。ひとつはバルブからで、もうひとつがピストンからだ。前者がオイル下がり、後者はオイル上がりと呼んで区別する。見た目は白煙が出るという同じ症状だが、原因と修理方法が異なるのから区別される理由だ。

オイル上がりをしていると最悪は修理より廃車にする可能性も

オイル下がりはバルブの軸部分に付いているオイルシールの劣化で起こり、オイル上がりの主な原因はピストンリングの摩耗だ。また、ひどい場合はシリンダーも摩耗して、ピストンとの隙間が広くなって、そこからオイルがシリンダー内に入り込んでしまう。オイル下がりか上がりのどちらの症状かは、分解せずに見極める方法もある。始動直後や低回転で白煙が出るのがオイル下がりで、高回転で出るのがオイル上がりであることが多い。

どちらも修理するとなると大掛かりだ。オイル下がりの場合はシリンダーヘッドを下ろし、バルブを外してバルブシールを交換する。オイル上がりに至っては、ピストンを取り外す必要があるので、かなりの手間と費用がかかってしまう。そのため、現場では中古エンジンへの積み替えや、廃車となるケースが多い。

トラブル防止は結局のところ「最適なオイル管理」のひと言

いずれにしても、結局のところ、何はなくともオイル管理が大切ということに尽きる。質のよくないオイルを使ったり、指定時期を越えても交換しないなどは避けるべきだ。最近はオイルも高騰しており、オイル交換を疎かにする例も見受けられるが、結果として高い代償になる。まさに損して得取れではないが、最低限のメンテナンスは行うようにしたい。メンテナンスフリーが進んだ現在も残っている実施項目というのはそれだけ重要とも言えるため、オイル交換はしっかりと行ってほしい。

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