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結果的に伯母の形見となったプリンス「スカイライン54A」を47年守り続ける!

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TEXT: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  PHOTO: 奥村純一(OKUMURA Junichi)

  • プリンス スカイライン 2000GT-A:群馬県太田市で趣味のクルマ専門店「KEY POINT」を営む関根さん。来年で創業45周年を迎える。愛車54Aは真夏でも日常使いできる高コンディション
  • プリンス スカイライン 2000GT-A:オリジナルの状態は崩さずセンターコンソール付近に追加メーターを装着。クルマの健康状態を常にチェックできる
  • プリンス スカイライン 2000GT-A:ビニールレザーのシートには、ほつれはもちろん破れのない極めて良好な状態を保っている
  • プリンス スカイライン 2000GT-A:「桐生八木節まつり」の一環として初開催されたクラシックカー展示。目抜き通りを閉鎖した会場へ警察官の誘導で搬入される54A
  • プリンス スカイライン 2000GT-A:7〜8年前にエンジンをオーバーホールした。メタルを製作してもらうなどの苦労もあったが、現在はすこぶる調子の良い直列6気筒OHCエンジン
  • プリンス スカイライン 2000GT-A:本来装備されていた純正クーラーは刷新。真夏でも快適に過ごせるよう室内助手席側に取り付けられた吊り下げ型のユニット
  • プリンス スカイライン 2000GT-A:本来装備されていた純正クーラーを刷新。真夏でも快適に過ごせるよう室内助手席側に取り付けられた吊り下げ型のユニット
  • プリンス スカイライン 2000GT-A:ハブキャップが装着された純正スチールホイールにホワイトリボンタイヤを装着。昔ながらの雰囲気を演出している
  • プリンス スカイライン 2000GT-A:関根さんが47年前に伯母から受け継いだプリンス2000GT-A。内外装ともに日常使いできるコンディションを保つ
  • プリンス スカイライン 2000GT-A:関根さんが47年前に伯母から受け継いだプリンス2000GT-A。内外装ともに日常使いできるコンディションを保つ

「手放せない大切なクルマ」だけど日常使いしています

群馬県桐生市の夏の風物詩「桐生八木節まつり」で、今年初めてクラシックカーの展示が行われました。会場となった錦町通りには交通規制が敷かれ、21台の日本車と輸入車が向かい合うように並びました。その中心には、伯母さまから譲り受けてから約半世紀、大切に乗り続けてきたプリンス「スカイライン2000GT-A」が展示されていました。

オーナーはクラシックカー愛好家の駆け込み寺的ショップを経営

毎年8月最初の金曜日・土曜日・日曜日の3日間行われる「桐生八木節まつり」は、毎年50万人を超える見学客が集まる地域最大級の夏祭りだ。コロナ禍にもオンライン八木節まつりなど、さまざまな取り組みで地域活性化に積極的な祭事であるが、その共催イベントのひとつとして、今年2025年に初めて開催されたのが「クラシックカー イン 桐生八木節まつり」である。

現在は交差点だが、かつてヨーロッパのようなラウンドアバウト方式であったことから、地元で「ロータリー」と呼ばれる錦町十字路がある。このロータリーから桐生市街地へと向かう錦町通りが交通規制され、その道路上に21台のクラシックカーが並べられた。

閉鎖された公道の展示スペースには、右側に日本車、左側は輸入車と向い合せになって展示され、そのちょうど中間あたりにプリンス スカイライン 2000GT-A(以下:54A)が鎮座していた。

イベントが開催された桐生市と隣接する太田市で、クラシックカーを中心とした販売と整備のショップ「KEY POINT」を営む関根信夫さんが、この54Aのオーナーである。

「KEY POINT」では国内外の趣味のクルマを専門とし、1981年のオープン以来、アメリカ西海岸からボディコンディションの良いダットサンスポーツなどの日本製スポーツカーや、イギリス製のライトウェイトスポーツを輸入販売している。

もちろん、そうした販売車両の登録や一般整備から継続車検整備などまで、旧いクルマの維持に関することをしっかりと面倒を見てくれる。そのため、この地域のクラシックカー愛好家にとって駆け込み寺的な存在のショップである。

新車で購入した伯母さまから譲り受けてから47年

今回展示された54Aは、関根さんが1978年頃から乗り始めたクルマであり、約半世紀を共にした愛車である。普段の買い物など日常的に「足車」として使っている54Aだが、じつは関根さんにとって大切な思い出が詰まったクルマだ。

「47年前になりますが、伯母がプリンスを他車に入れ替えると言うので、私が譲り受けました。このクルマは伯母が新車で購入して乗っていたクルマなんです。もう伯母は他界しているので、遺品でもありますし、手放せないかけがえのないものになりましたね」

こうした想いの詰まった愛車ではあるが、普段から日常的に走らせていた54A、約20年前にボディのリフレッシュなどのレストアを行った。

欧州車と比較できないほど苦労する国産旧車のパーツ探し

ボディのリフレッシュ時には手をつけていなかったパワートレインにも、7〜8年前に着手した。クラシックカーの修理販売を生業とする関根さんといえども、日本車のパーツ入手にはひと苦労した。

「旧い国産車のパーツは欧州車に比べると比較にならないくらい困ることはザラですが、それがプリンスとなりますと、さらに大変なものもありましたね」

ミッションのパーツは仕事でお付き合いのある業者から入手できたが、困ったのはエンジン系だった。オーバーホールで必要だったメタルは、どこにもなくて製作してもらった。

また、もともと純正のクーラーが装着されていた個体であったが、そのオーバーホールのタイミングで、ハコスカ用の吊り下げ式クーラーキットを助手席側に取り付けた。

旧車の普段使いだけでなく、毎月行われる地域の旧車ミーティング「ダムサンデー」、そして今回初開催となった「桐生八木節まつり クラシックカー展示」でも、仲間たちと楽しい1日を過ごせたと関根さんは笑顔を見せた。

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