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もはやバイクの面影なし!レース用「サイドカー」はシャシー構造も走り方もまったく異次元

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 日本レーシングサイドカー協会/熊野正人/futaba_AFB/KUMA/Hirofumi Kawano

  • 国内では関東圏のサーキットを中心にシリーズが組まれている。2026年のスケジュールは決まりしだいJRSAのウェブサイトで発表される
  • サイドカーレースを象徴するシーンのひとつが、パッセンジャーのアクロバティックな姿勢だ。自らが動いて荷重移動をサポートす
  • 参加者は老若男女を問わず幅広い。2輪や4輪のレース経験がない人も少なくない。別の回で解説するがコストも決して高くはない
  • サイドカーレースの黎明期。パッセンジャーが担う役割は今と大きく異なっており、原則として箱型の側車に搭乗しているだけだった
  • 現在のトップカテゴリーであるF1。エンジンの排気量や車体のサイズ、車重などがレギュレーションによって細かく定められている
  • F1よりホイールベースが短くスチールパイプ製のフレームで、2輪に近い部品構成のF2。エンジンは2輪と同じくフロントミッドに搭載される
  • 小排気量の入門クラスがF4。日本独自の規格でタイヤはレーシングカート用だ。速度域は低いが必要なスキルはF1やF2と変わらない
  • フレディ・ディクソン・サイドカーランの車両。エンジンは空冷の小排気量で、往年のクラシックなスタイルを維持しているのが特徴だ
  • 1名だけが操作する2輪または4輪のレースに対して、サイドカーはドライバーとパッセンジャーの共同作業。だからこそ面白く難しい

モータースポーツの1カテゴリーとして独立している「サイドカーレース」

モータースポーツと聞くと、4輪や2輪のレースを思い浮かべる人が多いでしょう。しかしその間に位置するような存在として、「サイドカー」によるレースがあることは、あまり知られていません。見た目はバイクに似ていますが、その構造や走らせ方は大きく異なります。ドライバーとパッセンジャーが息を合わせて走るこの競技には、長い歴史と独自の進化がありましたす。サイドカーレースの成り立ちと歩みをたどります。

軍用から競技へ!レースでは側車の乗員の役割がまったく異なる

時代や国境を超えて人々を熱くさせるモータースポーツ。4輪のトップカテゴリーのF1からローカルな草レース、さらにバイクまで含めれば、数え切れないほど膨大なカテゴリーが存在する。そのなかに含まれながら、日本ではあまり知られていない「サイドカー」によるレースが存在する。

多くの人が頭に思い浮かべるサイドカーは、側車と呼ばれる車台が付いたバイクだろう。第一次世界大戦のころには軍用車として活躍し、ドイツやソビエト連邦で多く採用されていた。だが、モータースポーツにおけるサイドカーは、見た目も操作の方法も大きく異なっている。

一般的なサイドカーの側車はいわゆる箱型で乗員はほぼ何も操作しないのに対し、レース用のサイドカーはフレームやカウルなどを含め一体型となっており、乗員はコーナーごとに姿勢を変えて荷重移動を行う重要な役割を担っているのだ。言葉だけで理解するのは難しいかもしれない。車体の構造やテクニックに関しては別の回で改めて解説するとして、まずは意外なほど長いサイドカーレースの歴史を振り返ってみたい。

スタートした時期は2輪(バイク)とほぼ同じと言われており、初期のマシンは前述したごく普通のサイドカーであった。一般公道を自走してサーキットへ赴き、競技が終われば再び自走で帰路に就くという、現在の4輪におけるN0(エヌゼロ)のようなレースだった。

マシンが大きく変化したのは第二次世界大戦後の1949年。2輪でWGP(ロードレース世界選手権)が始まり、そのなかにサイドカーだけのクラスが設けられた。競技が盛んになるほどメカニズムやテクニックが進化するのは自明の理。サイドカーレースも参加者たちがコーナーをいかに速くクリアできるか追求した結果、側車の乗員すなわち「パッセンジャー」がコーナーのイン側に身体を大きく乗り出せば、マシンを転覆させることなくタイヤのグリップを最大限に活かせる事実に気づいたのだ。

そのためには、従来の箱型をした側車ではなく、身体を自由に動かせるように座席をなくして板を張ったような形状の側車が必要となる。またパッセンジャーには荷重移動という重要な任務が与えられ、アクロバティックな動きと姿勢でマシンをコントロールする能力が磨かれていった。

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