冬の寒さがクルマに与える影響
冬は寒さと乾燥により、クルマ各部に負担がかかりやすい季節です。とくに影響を受けやすいのが、タイヤやワイパーゴム、樹脂パーツなどの素材です。外気温低下によるタイヤのグリップ変化や空気圧の低下、ゴム類の硬化、バッテリー性能の低下など、冬特有の注意点があります。さらに年式を重ねたクルマでは、樹脂部品の破損リスクも高まります。厳しい冬でも安心して走行するために、事前に確認しておきたい基本的な点検項目を整理します。
冬場に注意したいタイヤの管理!7℃以下でグリップ低下
まずはタイヤだが、夏タイヤは通常外気温7℃以上での使用を前提に作られている。つまり雪がなくても外気温が7℃を下まわると途端にグリップ力が悪化するので要注意だ。その原因は外気温、路面温度が低くなるにつれてゴムが硬化し、グリップ力が低下するからだ。外気温が7℃度を下まわる環境では、降雪路なくても、スタッドレスタイヤなど冬用タイヤに履き替えるのが理想である。
雪国以外で、厳冬期でも夏用タイヤのまま走り続ける人は、タイヤが温まって内圧が適正になるまで時間がかかる。走り始めて20分ぐらいは、ゆっくり丁寧な操作を心掛け、スピードも控えめにするのが肝要だ。
外気温が低いと空気の体積は収縮するので、タイヤの空気圧も自然に下がる。気温が10℃下がるとおよそ10kPa低下するといわれているので、冬場は空気圧の点検をこまめにしよう。
また、古いタイヤはゴムが硬化しやすい。夏タイヤ、冬タイヤにかかわらず、4年以上使ったタイヤは、残り溝の有無にかかわらず交換を推奨する。なお、新品タイヤに交換した場合、慣らし走行も忘れずに。夏用タイヤなら80km/h以下の速度で100km以上、スタッドレスタイヤなら非雪路を60km/h以下の速度で200km以上走るのが目安だ。
もうひとつ、エアバルブキャップは確実につけること。エアバルブキャップがないと、バルブに雪や雨が付着し、それが凍結することでバルブを押して空気が漏れることがあるからだ。
ゴム部品と油脂類の点検ポイント
そしてゴムといえば、ワイパーゴムも寒さで硬化しやすいので点検を。1年以上交換していなければ、この機会に交換してしまおう。同時にウォッシャー液もチェック。冬場はウォッシャー液の使用機会が増えるので、まず量を確認。それから濃度が低いと凍結しやすいので、冬場は「原液1:水1」濃度を目安に。寒さの厳しい地域なら、原液100%でもいいぐらいだ。ただし、ボディなどの塗装面にウォッシャー液が付着したときは、乾いてシミになる前に水などで洗い流すことをオススメする。
あとはバッテリーだ。気温が低くなると、バッテリー液(希硫酸)の化学反応が鈍くなってバッテリーの性能が下がる。カー用品店などで専用のテスターを使って、バッテリーの点検を。なおバッテリーの寿命は3〜4年といわれている。アイドリングストップ機構の付いているクルマの場合、今までエンジンが停止するような状況でもアイドリングストップしないときは、バッテリーが弱ってきている前兆でもある。
それからオイル。厳冬期のエンジンの始動時には、燃料が濃く噴射されるので、オイルがガソリンで希釈されやすい。とくに普段チョイ乗りしかしない人はオイルが傷みやすいので、オイル交換のタイミングが近づいてきている人は、冬場に交換するといいだろう。
年式の古いクルマで注意したいのが樹脂パーツ
最後に樹脂パーツ。新車ならそれほど心配はないだろうが、少々年季の入ったクルマだと、この時期、寒さで樹脂パーツが固く、脆くなっているので、取り扱いはいつもより慎重に。筆者は1992年式のR32型GT-Rを所有しているが、先日、駐車場の床に何か少量の液体が漏れているのを発見した。調べてみると、どうもクーラントのようで、ラジエタードレンコック付近から漏れていることが判明。
コックが緩んでいるのかと触った瞬間、その樹脂製のラジエタードレンコックが根元からぽっきり折れて、Oリングまで一緒に取れてしまい、漏れが悪化する事態に……。おまけに、その点検作業中に、同じく樹脂製のボンネットステークリップまで砕けてしまった! ヤングタイマーユーザーの皆さんは、こうした樹脂パーツやクリップ類、ホース類、配線の被覆などをもう一度よく点検して、早めに交換しておくことをおすすめしたい。


















































