空からのモチーフはファイアバードになり
海はマンタレイにシャークにスティングレー
そのコンセプトカーと呼ばれるモデル群がもっとも多く作られたのは、1950年代から60年代にかけて。時あたかも飛行機がレシプロからジェットに移行する時代だったからか、飛行機をモチーフにしたモデルが多く製作された。一連のモデルとして、3種類が1953年から1959年にかけて製作されたファイアーバード・シリーズもそのひとつである。
名前こそファイアーバードだが、後のポンティアック ファイアーバードとは何の脈絡もない。ヘリテージセンターを訪れたときは、ファイアバード2とファイアバード3が展示されていた。いずれも垂直尾翼を持ち、ジェット戦闘機を彷彿させるキャノピーを持つデザインである。
そのコンセプトからファイアーバードの名をもらったであろうポンティアック ファイアーバードは、いわゆるマッスルカーの代表格であるが、ヨーロッパ風に言うならシューティングブレークのようなボディも作られていた。
2代目のデザイン部長であったビル・ミッチェルが、釣り上げた魚からヒントを得て着想したのが、メイコ・シャークの名を持つコンセプト。日本語にすると青鮫であるが、ボディのグラデーションがまさにそれを物語る。そしてこちらも、メイコシャーク1とメイコシャーク2が製作され、メイコシャーク2の方はその後リデザインされ、その名もマンタレイとなるが、そのマンタレイも展示されている。
2007年にここを訪れたときは、まさに館内を独り占めした。他に誰もいなかったわけだから、自由気ままに撮影である。そして、お目付け役に唯一許されて乗せてもらったモデルが、キャデラック・サイクロンであった。こちらもジェット戦闘機をイメージしたモデルだが、後のクルマに影響を与えたであろう技術が満載だった。フロント両サイドの黒い突起にはミリ波レーダーが収納され、前方を監視、衝突軽減に寄与する。つまり今でいうところのADASを、すでに備えていたというわけである。
ヘッドライトもグリルのなかから反転して顔を出す。ドアはハンドルを引くと、およそ7〜8cmほど外側に出たのちに、後ろにスライドする。つまりスライドドアだ。展示している時はオープンであったが、本来窓のないキャノピーが被さる。このため、外部とのやり取りはドアに取り付けられた小さな窓から行うようになっていた。
市販モデルもエポックなクルマは展示されている。振り返ってみると、やはりGMは偉大だったと思う。











































