スパルタンな構成が生んだスーパーカーの原点
前後ともにダブルウィッシュボーン形式を採用したサスペンションは、フロントのアッパーアームがプレス製となるが、残りはボックス断面を持つもの。さらにフロントに19mm径、リアには16mm径のスタビライザーが装着されていた。ガーリング製のディスクブレーキ、ボラーニ製のワイヤースポークホイール、ラック・アンド・ピニオン式のステアリングなど、こちらも当時のレーシングカーそのものともいえる構成だった。ラジエーターはフロントのオーバーハング部に水平にマウントされている。
ミッドに横置き搭載されたエンジンは、すでに触れているとおり4LのV型12気筒DOHC。ダラーラが横置き搭載を選択したのは、V型12気筒エンジンを縦置きミッドシップすることによる、ホイールベースの延長を避けるためだ。クラッチやギヤボックスは一直線に、かつコンパクトに配置され、潤滑システムはダラーラがその原案を得たミニのように、エンジンとミッションのそれを共用するタイプとなった。
ウェーバー製のキャブレターがダウンドラフト・タイプとされたこともTP400の大きな特徴。改めて考えてみれば、ファースト・プロトタイプの350GTVのためにジョット・ビッザリーニが設計した3.5LのV型12気筒エンジンもダウンドラフト・タイプだったから、その意味ではTP400の4Lエンジンは原点に立ち返った、言葉を変えるのならばよりスパルタンなキャラクターを実現したものに仕上がっていたとも考えられる。4本の白いエグゾーストパイプとサテンブラックに塗装されたシャシーが生み出すコントラストもまたスパルタンだ。
トリノ・ショーで大きな話題を呼んだTP400は、続いてモナコでも展示され注目を集めるが、その後は長くランボルギーニによって保管されることになった。だが1977年になるとキプロスのランボルギーニがディスプレイ用にそれを入手。それから30年近く消息不明の状態にあったものの、2008年にはアメリカ人のコレクターがそれを入手したことが判明する。そして2013年夏には、グッディング・アンド・カンパニーが開催したペブルビーチ・オークションにおいて47万3000ドル(当時のレートで約4635万円)で落札。のちにランボルギーニ・ミュージアムへの里帰りも果たしている。はたしてこのTP400のなかからミウラが誕生するまでには、どのようなストーリーがあったのだろうか。次回はそれについて触れてみたいと思う。
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