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審査基準は「熱意」のみ!? 富士スピードウェイを埋め尽くした410台のオールジャンルカスタムの衝撃

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TEXT: 近藤浩之(KONDO Hiroyuki)  PHOTO: 近藤浩之(KONDO Hiroyuki)

ジャンルの垣根を越えた410台の熱きカスタムカーたちが共演する

日本を代表するサーキット、富士スピードウェイ。その本コースから快音が響き渡るなか、隣接するイベント広場でカスタムカーの祭典「CarFlix5」が6月21日に開催された。会場を埋め尽くしたのは、独自の事前選考をくぐり抜けた熱量あふれる410台だ。アメリカンテイストが光るUSDMをはじめ、あらゆるジャンルのクルマたちが境界線を越えて肩を並べている。オーナーたちのこだわりと、愛車が放つ圧倒的なエネルギーの源泉を確かめてみたい。

江の島から始まったミーティングが410台を集める一大イベントへと進化する

多種多様なカスタムスタイルのクルマが集まったこのイベントは、もともと神奈川県の江の島で開催されていた小規模なカーミーティングが原点だという。主催者は、その成り立ちと現在にいたるまでの経緯を次のように語る。

「江の島で『朝ノ島』という、USDM(アメリカ市場向けモデルや北米仕様のカスタム手法)をベースとしたミーティングを開催していたんです。ところが、そのうちに数百台が集まる規模になり、場所的に開催が難しくなってしまいました。そこでいろいろと開催場所を模索した結果が、現在の広大な会場だったんです」と主催者は試行錯誤を重ねて進化してきたイベントとして歴史を振り返る。さらに、ジャンルレスな現在のスタイルに行き着いた理由についても言葉をつなぐ。

「今回で5回目の開催になります。第1回はUSDM縛りで400台を集めたのですが、いろんなジャンルのクルマを集めて開催したほうがもっと面白いのではないかと考え、現在のオールジャンルスタイルになりました。ちなみにイベント名は、様々なクルマが集まるという意味を込めて、様々な動画が見られる定額制動画配信サービス(サブスクリプション)の名称をもじって名付けています」

熱意とカッコよさで選考を突破した多種多様なカスタムカーが共演する

5回目となった今回、会場に集まったクルマは410台にのぼる。ジャンルに関しては前述のUSDMはもとより、スタンス系(車高を極端に下げてホイールを強調するスタイル)、VIP系(高級セダンをベースにしたカスタム)、スポコン系(スポーツコンパクトの略で、スポーツカーやコンパクトカーをベースに派手な外装やチューニングを施すスタイル)、ローライダー、トラッキン(ピックアップトラックのカスタム)など、じつに多種多様だ。これらのクルマはすべて事前の選考を経てイベントに参加している。

「自分のクルマの写真とアピールポイントを送ってもらい、それをスタッフ数人で選考して参加枠を決めさせてもらっています。選考基準は、基本的には『かっこいい』という部分と、あとはオーナーの『熱意』なんですよ」

熱い思いが込められたエントリーシートの裏側について、主催者は笑顔を見せながらこう語る。

「アピール文で熱意をもって説明している人はもちろん、アピール文が一言だとしても、クルマから明らかに熱意が伝わってくれば選考を通過していますね。極端な話、クルマが少しヤレていたとしても、カスタムの方向性が面白ければ全然OKです。なんといっても、クルマ好きがクルマ好きのためにやっているイベントですから」

エアサスから車高調まで多様化するスタイルと参加者たちの交流を深める

会場を回ってみると、国産車が圧倒的に多い印象を受ける。各ブランドの様々な年式のモデルが並んでいたが、強いていえばホンダ車が目立っていた。これは、もともとがUSDM主体のイベントだったことも深く関係しているのだろう。会場のなかには、リアルなUSDMとなる北米仕様のホンダ「インテグラ」の左ハンドル車の姿もあり、来場者の熱い視線を集めていた。

カスタムのアプローチに目を向けると、現在のトレンドとなっているエアーサスペンション(空気の圧力で車高を調整できるサスペンション)を導入した車両が多いものの、昔ながらの車高調(車高調整式サスペンション)やダウンサスでスタイリングをキメているクルマも健在だ。現在ではカスタムスタイルが細分化し多様化しているが、そうしたあらゆるスタイルのクルマを一度に見られるのも、オールジャンルのミーティングならではの魅力である。

オーナーに関してもクルマと同様、様々なスタイルの方々が参加している。普段のカーライフでは交わることの少ない、タイプの異なる参加者同士が笑顔で言葉を交わし合う姿は、オールジャンルのミーティングだからこそ生み出せる貴重な光景だ。参加者の意識も高く、イベントの開催時間中に空吹かしなどのマナー違反もまったく見られなかった。

5回目の節目を迎えた熱き祭典がクルマ好きたちの記憶に深く刻まれる

イベントのコンテンツとしては、車両の展示にくわえてステージでのDJパフォーマンスや、アワード(優秀賞)受賞車の表彰式などが用意されていた。最後に行われたアワードの受賞式では、各ジャンルで賞を獲得した受賞車がステージ前に移動し、誇らしげなオーナーへのインタビューが行われて会場を大いに沸かせた。

ストリートからスタートし、現在のスタイルのイベントとしては5回目を迎えたこのミーティングだが、今回でイベントとしてはひと区切りになるという。今後の展開に関しては未定とのことだが、クルマ好きが自らの手で開催し、熱意を持った仲間たちを集めるというこの純粋なスタイルは、大きなうねりとなって確かな足跡を残した。

効率や合理性だけでは決して推し量れない、愛車に注ぎ込まれた膨大な時間と圧倒的な熱量。ジャンルの垣根を越えて集い、互いのこだわりを認め合ったこの1日の熱狂は、これまで参加したすべてのオーナーたちの記憶のなかで、いつまでも鮮やかに輝き続けるに違いない。

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