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ホイールの大径化は見た目だけ? 「インチアップのメリットとデメリット」

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TEXT: 小鮒康一(KOBUNA Koichi)

プラス面とマイナス面をどう捉えるべきか

 ドレスアップの第一歩として多くのユーザーが実施するホイールの交換。ここでキーワードとなるのが、インチアップだ。純正で16インチサイズのホイールを履くクルマに、17インチや18インチといったより大径ホイールを装着すること。ホイールの外径を大きくすることでクルマの足元にドッシリ感が出て、ルックスが向上できる。これぞドレスアップの観点から見たときの最大の目的である。

 また、見た目以外のメリットが存在する。そして、デメリットがあるのもインチアップなのだ。

 

コーナリングやブレーキングで安定感アップ

 まずは、メリットの話から。基本的にインチアップはタイヤの外径が変わらないようにするため、ホイールが大きくなるとその分タイヤが薄くなる。いわゆる、60タイヤから50タイヤといった低偏平化だ。タイヤ側面の厚みが減ることで、ヨレやたわみが出にくくなるため、ハンドリングのレスポンスが向上。コーナーリングやブレーキングの安定感が増すといったメリットもある。

 また、インチアップするとタイヤ幅が太くなるのが一般的だが、これも路面との接地面積が増加するためにグリップ力も高まりやすいということも考えられるのだ。

 さらにインチアップによって、ホイールのインナースペースに余裕が生まれる。チューニングの視点で見ると、インセットやインナーリムの構造にもよるが、大径ブレーキローターと大型ブレーキキャリパーの大容量ブレーキシステムの装着が可能となるわけだ。

 ブレーキの強化は、サーキットを走るチューニングカーにはもちろんだが、豪華な装備で車重が重くなっているミニバンやSUVにも有効だろう。そもそも、本来のインチアップの目的は、容量の大きなブレーキを装着するため。1980年代の国産スポーツカーは150馬力くらい。15インチホイールに収まるブレーキシステムでも足りていた。だが、現代の500馬力超のパワーに見合った制動力を確保するためには、ホイールを大径化して大容量ブレーキシステムを採用しなければ恐ろしくて乗れるシロモノにはならないのは、簡単に想像できることだろう。

ルックス向上の代償も存在する

 では、インチアップによるデメリットはどんなものがあるのだろうか。まずは、乗り心地の悪化だ。前述のように低偏平化(タイヤ側面の厚みが薄くなる)によって、路面のゴツゴツを拾いやすくなり、乗り心地が悪くなってしまう傾向がある。

 また、接地面が大きくなることで転がり抵抗が増加するため、燃費悪化にも繋がりやすい。そして、インチアップによってタイヤとホイールの総重量も増えてしまうことも考えられるため、同様に燃費やブレーキの効きに多少なりとも影響を及ぼすこともありえるのだ。

 このように、インチアップは見た目やハンドリングが向上できるメリットの代償として、燃費や乗り心地が悪化しやすいデメリットもある。しかし、ホイール(重量)やタイヤ(転がり抵抗)を吟味すればネガティブな面を解消することも可能だ。

 所詮、クルマのカスタムなんて自己満足の世界。「見た目がカッコよくなる」という理由だけでインチアップしてもいいだろう。まずは、闇雲に大口径化するのではなく、徐々にステップアップしていくのも賢明といえよう。

 車種によっては、同一グレードでもホイール径が異なる設定をしているケースがある。径の小さなホイールのほうが乗り心地が良いと思われがちになるが、じつは大径ホイールのほうにサスペンションの設定を合わせているケースもある。そのようなモデルは、小径ホイールのほうが乗り心地が悪いこともある。あくまでもバランスが重要なことも忘れないでほしい。

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