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23年もトヨタのモータースポーツを支えてきた名エンジン!名機3S-Gとは

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: 童夢/Auto Messe Web編集部

長期にわたり国内外で多くの勝利を上げている

 歴史に残る名エンジンとして忘れてはいけないのが、トヨタの3S-G型。1984年に登場し2007年の生産中止になるまで、トヨタの2リッター直列4気筒エンジンの主力であり、20年以上モータースポーツのベースエンジンとして活躍した、究極の万能エンジンとして知られている。

 ベースは鋳鉄ブロックで頑丈だった2S-E型エンジン。ヘッドはヤマハが開発したツインカム4バルブで、ボア×ストロークは、86.0mm×86.0mmのスクエアタイプ。ここがいかにもトヨタらしいところ。デビュー当時は、2リッターの4バルブエンジンとして、最軽量で強度にも余裕があったため、チューニングに最適だった。

 セリカ、MR-2、カルディナ、アルテッツァ、カリーナED、RAV4、カレン、カムリ、ビスタ、ガイア、イプサム、ナディアなど多くの市販車に搭載された。

 またモータースポーツの世界では、ジャンルを問わずあらゆるカテゴリーでトヨタのワークスマシンのパワーユニットに選ばれている。ラリーでもWRCのグループA時代に、ST165、ST185、ST205のセリカの心臓部として、ワールドタイトル獲得に大きく貢献。

 フレッシュエアシステム(アンチラグシステム)のパイオニアとなったエンジンでもあった。1999年にマニファクチャラーズチャンピオンを取った、カローラWRCのエンジンも3S-G。

 1984年にMR-2(AW11)ベースのグループBのミッドシップ4WDマシンとして開発していた、222Dのエンジンが3S-Gのルーツだったこともあり、ラリーの実績は大きい。レース界では1985年からトムスがF3用のエンジンとして開発し、20年以上、国内外で多くの勝利を上げている。

 また、グループCでもトムスと童夢が共同で開発した、トヨタ トムス86C、87C、88Cに搭載。小排気量エンジン+シングルターボのハイブースト仕様というコンセプトで、燃費とパワー(最大760馬力)を追求。ポルシェなど大排気量のCカーを相手に好バトルを繰り広げた。そして、アメリカのIMSA GTPでも、1992年に7連勝しチャンピオンになった。

 国内ではスーパーGTの前身、JGTC時代に80スープラに搭載。当初、スープラは市販車と同じ6気筒の2JZを積んでいたが、1994年からシャシーバランス等にメリットのある4気筒の3S-Gにスイッチ。当初はかなりドッカンターボだったという。

 その後、GT500では1997年、2001年、2002年にドライバーズタイトルを獲得。スープラだけでなく、GT300クラスのセリカ(ZZT231)、MR-S、セリカ(ST205)、スプリンタートレノ(AE86)などにも使われた。さらに、パイクスピークヒルクライムでも5勝している。

 JTCCレースのコロナやチェイサー、エクシヴ、セレスも3S-Gで、国内ラリーやジムカーナ、ダートラ、アルテッツァのワンメイクレースなどマルチに活躍した。

 しかも、レーシングエンジンとしては異例なほど現役期間が長かったことからも、基本設計の優れたエンジンだったのがよくわかる。トヨタのスポーツエンジンの代表格は「3S-G」抜きに、トヨタのスポーツモデルやモータースポーツは語れない。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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