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アロンソ、ダカールラリーにトヨタから参戦! 元F1チャンピオンは苦戦必至か

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TEXT: 廣本 泉(HIROMOTO Izumi)  PHOTO: トヨタ

ハリスミス400ラリーで実戦デビューへ

 1978年にフランスのパリからセネガルのダカール間で争う「パリ-ダカールラリー」として幕を開け、2009年からはアルゼンチンやチリ、ペルーなどの南米大陸へ舞台を移して開催されてきたクロスカントリーラリーの名物イベント「ダカールラリー」。42回目の開催となる2020年はサウジアラビアで開催されることから、いわば第3章の幕開けとして注目を集めるが、この記念すべき一戦に元F1ドライバーのフェルナンド・アロンソが参戦するようだ。

 チームはトヨタのワークスチーム「トヨタGAZOOレーシング」で、マシンは主力モデルのトヨタ・ハイラックスを予定。アロンソは今年3月に南アフリカで2019年のダカールラリー優勝マシン(ハイラックス)のテストを実施するなど、ラリーレイド競技への興味を見せてきたが、トヨタGAZOOレーシングによれば本格参戦に向けて8月20日よりアフリカ南部の砂漠でテスト走行を実施したようだ。

 さらに9月13日〜14日には南アフリカのクロスカントリーラリーシリーズの第5戦として開催される「2019ハリスミス400ラリー」でデビュー予定。その後もトヨタGAZOOレーシングのダカールラリーチームと連携しながら、5ヶ月間に渡って、ヨーロッパやアフリカ、中東で走行トレーニングを実施する。

 アロンソといえば、ご存知のように2005年および2006年にF1でチャンピオンに輝くほか、2018年および2019年にはトヨタGAZOOレーシングのドライバーとしてル・マン24時間レースを制し、2018-2019年のWECでタイトル獲得。さらにインディ500に参戦するなどサーキットを舞台にしたレース競技で活躍してきたドライバーだが、アロンソによれば「今年初めにオフロードラリーの体験をして、ラリーカーに長く乗っていたいという気持ちが残った」とのことで、これがきっかけになって、ハイラックスでのテストに繋がったという。

 さらに「前回のハイラックスでの走行テストは非常に有意義な経験でした。走行を重ねるごとに自信を持てるようになり、改善することができた」とのこと。加えて「今後も数ヶ月間の走行トレーニングで、ハイラックスのことをさらに知り、チームと協力していけることを本当に楽しみにしています」とアロンソのモチベーションは高いが、果たしてレース出身のアロンソが、ラリーレイドでどのようなパフォーマンスを見せるのか?

 スプリントラリーとラリーレイドの違いこそあれ、やはりグラベルでのスキルが活かせるのだろう。これまでダカールラリーでは過去4回の優勝経験を持つアリ・バタネンを筆頭に3回の優勝経験を持つナッサー・アルアティヤー、2010年および2018年の大会を制したカルロス・サインツ、1988年の大会ウイナーであるユハ・カンクネン、1997年の覇者、篠塚建次郎など、WRCで活躍してきたドライバーたちが躍進している。

 優勝経験こそないものの、2004年から2012年にかけて9連覇を果たしたWRCのレジェンド、セバスチャン・ローブも2017年の大会で2位入賞を果たすなどトップ争いを演じてきたが、ダカールラリーはラリーレイドの最高峰イベントであり、世界で最も過酷な競技と呼ばれているだけに、やはりサーキット出身のレーシングドライバーは、ラリー苦戦を強いられるのではないだろうか。1960年代の後半から1970年代のF1で活躍したほか、ル・マン24時間レースでも6回の優勝経験を持つなど、レース競技で活躍したジャッキー・イクスは1983年のダカールラリーで優勝した。

 つまり、イクスはレース出身のダカールウイナーとして唯一の成功例となっているが、当時のダカールラリーはアドベンチャー要素が高く、マシントラブルさえなければ優勝する可能性が高いと言われた時代。スプリント性を求められる現在のダカールラリーは経験豊富なドライバーでさえ勝つことが難しいだけに、ビギナーのアロンソは厳しい戦いを強いられることだろう。

 逆に言えば、レース競技で豊富な実績を持っているだけに、アロンソもラリーレイドの経験さえ重ねていけば、数年後には十分にトップ争いを左右する存在となるに違いない。アロンソとトヨタGAZOOレーシングが長期的なプランでダカールラリーに挑戦するようなことになれば、前人未到のF1かつル・マン24時間レース、そしてダカールラリーを制した王者が誕生するかもしれない。

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