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クルマも熱中症の危険! 夏のスポーツ走行時に最悪のエンジンブローを防ぐ「冷却対策」7つ

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

冷却系カスタムで重大トラブルを防げ

 夏は人間にもクルマにも厳しい季節。当然ながらエンジンの水温や油温は上がりやすく、涼しい時期と同じつもりで走っていると、エンジンブローなど重大なトラブルに結び付いてしまうのだ。そんな最悪の事態を招かないため対策しておきたい、冷却系カスタムを挙げてみよう。

1)高性能クーラント

 エンジンへの大きなダメージに直結し、かつ対策がいくつもあるのは水温。メンテナンスを兼ねて交換したいのはクーラントで、スポーツ走行を想定した商品は温度が上がりにくいうえ、冷えるのも純正より早い、と良いことずくめだ。ただし交換サイクルが短いとか冬は冷えすぎるなど、注意すべき点もあるので不安な人はプロショップに相談しよう。

2)ハイプレッシャー・ラジエーターキャップ

 金額的にお手軽なパーツを挙げれば、ラジエーターキャップがその代表格といえる。水温そのものが下がるワケではないものの、クーラントの圧力を高めることで沸点を上げ、オーバーヒートしにくくするアイテムだ。なおラジエーターキャップは古くなるとゴムやスプリングが劣化し、本来の性能を発揮できず逆にオーバーヒートしやすくなるので、定期的にチェックし、劣化したら交換するのがお約束。

3)ローテンプサーモスタット

 続いてはローテンプサーモスタット。純正より低い温度でサーモスタットの弁を開き、クーラントを早めにラジエーターへ循環させることで冷却能力が高まるパーツで、開弁温度が異なる数種類をラインナップしていたり、開弁部を大径化しクーラントの流量を増やすタイプもある。

4)電動ファンコントローラー

 そして、純正の機能を活かしてオーバーヒートを防ぐ、電動ファンコントローラーも忘れちゃいけない。純正の電動ファンは動き始める温度が高くスポーツ走行には不向きなので、それを任意でコントロールするためのアイテムだ。ノーマルより低い温度から電動ファンを動かし、水温の上昇を抑制するのが目的。各メーカーからさまざまな商品が発売されており、水温計の機能を備えたモノなどいろいろなタイプがある。

5)大容量ラジエーター

 これらの対策でも間に合わなければ、いよいよラジエーター本体の交換だ。コアの厚みは2層式と3層式で材質はアルミと銅がほとんど。放熱効果は銅のほうが高いといわれているが、重量的には当然ながらアルミのほうが有利だ。しかし、コアが厚くなればラジエーター本体の重量はもちろん、クーラントの量が多くなりトータルの重量も増えるため、交換する際はどれくらいの冷却能力が必要かをよく考えよう。

6)オイルクーラー

 ここまでは水温を下げるための対策パーツを紹介したが、じつは水温と並んで大事なのがオイルの冷却。対策としてメジャーなのはオイルクーラーの装着で、車種ごとに専用設計された製品もあれば、コアとホースを選んで組み合わせる汎用タイプもある。エンジンオイル用のクーラーが一般的だが、クルマや走り方によってはデフオイル用のクーラーが必要となるケースもあり。

 ちなみにエンジンの水温と油温は互いに影響し合っており、どちらを優先するかは車種やチューナーの考えにより違う。いずれにしても「オーバークール」と呼ばれる、冷えすぎはデメリットも多々あるので最初から何もかも交換するのではなく、信頼できるプロショップの意見を聞きつつ手を加えるのが安心だろう。

7)ダクトやエアガイド

 最後に冷却効果をプラスαする小ワザをふたつほど。熱交換器であるラジエーターやオイルクーラーは、走行風をコアに当てることで冷却能力がより高くなる。エアダクトまたはエアガイドと呼ばれる導風パーツは意外なほど効き、レーシングカーや本気のサーキット仕様ではもはや常識。またパソコンの内部にもよく使われている、表面積を増やすことで放熱&吸熱させる「ヒートシンク」も効果アリだ。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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