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単なる「ファン感謝」イベントじゃない! NISMOフェスティバルがもつ重要な意味とは

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田了、Auto Messe Web編集部

シーズンファイナル檜舞台 恒例の「NISMO FESTIVAL」とは

 今シーズンのモータースポーツ界は、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて開幕が遅れたこともあり、11月下旬を迎えてもまだシーズン真っ最中。例年ならば、SUPER GTとスーパーフォーミュラ、国内トップ2カテゴリーのシリーズ最終戦も終え、トヨタと日産、ホンダの国内3メーカーが実施するファン感謝イベントが行われている時期です。振り返ってみるとそこには片鱗ではありますが、それらイベントの意義深さが感じられました。2020年はコロナ禍で中止となったNISMOフェスティバル

モータースポーツ文化伝承イベント

 ファン感謝イベントで最も歴史が長いのは日産/NISMOが行うNISMO FESTIVALで、第1回目は1997年に開催されています。この時のコースイベントの一つに、様々なカテゴリーで活躍した日産のレーシングカーが走行する“模擬レース”があり、多くのファンから人気を博したことで、同イベントの目玉コンテンツへと成長発展していくことになりました。1966年日本グランプリ優勝のプリンスR380A-1

 そして翌98年に行われた2回目のフェスティバルでは日産が保有しているレーシングカー、1966年の日本グランプリで優勝したプリンスR380A-1が、その雄姿を披露していました。実はこの年から、日産が保管している古いレーシングカーをレストアし、FESTIVALで走らせるという試みがスタート。その第1号となったのがグランプリ優勝車のR380A-1でした。

 2000年には今も人気の高いシルエットフォーミュラ(Gr.5)の日産スカイライン・スーパーシルエット(KDR30。レースのエントリーネームは“トミカ・スカイライン・ターボ”)が登場しています。これはかつて、日産のワークスドライバーとして活躍してきた長谷見昌弘さんが、この年限りで引退を決意したことを受け、この日に合わせてレストアが進められていたものでした。トミカ・スカイライン・ターボ

 このクルマが現役だった当時「富士の最終コーナーを立ち上がってくると、スタンドのお客さんが一斉に立ち上がって大声援を送ってくれた。コクピットからでもその声が聞こえたんだよ」と当時を懐かしがっていた長谷見さんに、トミカ・スカイライン・ターボのレストアは最高の餞になったに違いありません。フェスティバルの最後には引退セレモニーも行われています。スーパーシルエットのスカイラインターボ

 そんな長谷見さんとともに日産のモータースポーツをけん引してきた星野一義さんの引退は2002年のことでした。この年のNISMO FESTIVALは星野さんがそれまでにドライブしてきた日産車…小さなツーリングカーのダットサン・チェリー・クーペX1Rから日産シルビア・スーパーシルエット、Gr.Cの日産R92CP、ル・マンを駆け抜けた日産R390GT1、そしてGr.AのスカイラインGT-R(R32)SUPER GTのGT500クラスで活躍したカルソニックGT-Rなど多士済々のレーシングカーが富士スピードウェイに勢揃い。「日本一速い男」星野一義さんのNISMOフェスティバルでの引退式

 パドックには星野さんの活躍を映した“ミュージアム”も登場。現役の日産ドライバー全員で“日本一速い男”のフィナーレを称えました。カルソニック・スカイラインGT-R

 2004年のNISMO FESTIVALでは、日産が独自開発した6LのツインカムV12エンジンを搭載し、 69年の日本グランプリを制したR382が登場。翌05年にはR380-ⅡとR381、R382に加えて当時からライバル関係にあって研鑽を続けてきたトヨタの5Lニュー7が招へいされて特別参加。日産の名車R380-Ⅱ、R381、R382とライバルトヨタ7

 60年代カルテットが観客を沸かせるシーンが演出されていました。さらに06年には70年の日本グランプリを目指して開発が進められていたものの、日産が出場を取りやめたことでレース開催そのものがキャンセルされてしまうという、悲運の、そして幻のレーシングカー、R383がレストアされ登場。富士スピードウェイに詰めかけたファンを喜ばせることになりました。

幻のR383

 一方、富士スピードウェイで開催されるNISMO FESTIVALに対して、2015年からは鈴鹿サーキットを舞台にしたヒストリックカーイベント、鈴鹿Sound of ENGINEが開催されるようになり、日本を代表する東西の二大サーキットでヒストリックカーの動態を確認できるイベントが開催されるようになっています。

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