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それって「後出しじゃんけん」では? 巨人トヨタが成功を続ける「したたかな戦略」とは

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TEXT: 山崎 真一 PHOTO: トヨタ/Auto Messe Web

後出しじゃんけんでもすべてが目論見どおり市場を席捲できたわけではない

 もちろん、歴史を振り返れば真似っこするだけの企業ではなく、プリウスやハリアーなどマーケットでエポックメイキングなクルマや、カローラやクラウンのような長年愛され続けるクルマ(ブランド)も産んでいる(そのほか、MR2やセラ、Willシリーズなど鮮度の高いクルマも作っている)。

カローラ

 そうしたクルマには他社からライバルをぶつけられることもあったが、そこは企業規模をフルに使って打ち負かしてきた。そうしてマーケットでの独自性を確保(一強なのでトヨタらしいクルマとなる)しながら、前述したように新しい芽(ライバル)は全力で出鼻をくじく。アルファードはエルグランドを、ウィッシュはストリームを、RAV4はエスクードを目論見どおり打ち負かしてきた。

アルファード

 もちろん、レガシィに対するカルディナ、ロードスターに対するMR-S、ソリオに対するルーミー(兄弟車を合わせれば販売数は多いがソリオも変わらず売れている)など真似っこしても本家の魅力にかなわなかった場合もある。トヨタ車以外は、そうしたニッチ(一部の人に愛される)なクルマ=一定の熱狂的なファンを生み出すか、一部のマーケット(ジャンル)に資金を集中し、確固たるナンバー1を狙うしかない。

MR-S

GRブランドの登場で、これまでのトヨタに抱いたイメージは覆る⁉

 トヨタは企業も大きいので従業員を養うためにはそれなりの販売台数が必要であり、そうなると幅広い人に受け入れられる(万人向け)クルマを産む必要がある。一般ユーザーには趣味性の高さよりも、装備が充実し使い勝手もよく壊れない方が大事だ。また、幅広いバリエーションのなかから自分のライフスタイルや好みに合わせて選べるトヨタのクルマはじつに魅力的に映るはずだ。

 ただ、80点主義と呼ばれたトヨタ車だが、GRブランドの登場で大きく変わりつつある。今、国内メーカーで手の届く2ドアスポーツモデルをリリースしているのはほぼトヨタだけであり、スポーツモデルでみれば日産やマツダなどにも存在するがどれも基本設計が古く、実用性に乏しいモデルばかりだ。

GRシリーズ

 実用車を数多くリリースし、多くのユーザーを確保しながら、GRで手の届く魅力ある個性派スポーツカーを続々と発売することでクルマ趣味人まで取り込みつつある。この隙のない戦略はライバルにとっては脅威でしかない。「昔はトヨタのクルマ作りは面白みがないと言われていたな」と笑い話として語られる日はそう遠くないかもしれない。

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