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祝、トヨタ「ル・マン4連覇」! 望むべくはあと2連覇して欲しい「切実な理由」とは

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TEXT: 大内明彦  PHOTO: トヨタ自動車/Porsche AG/大内明彦

ハイブリッドのモーター出力は前輪のみの規定へ

 実際、新世代のパワートレーンシステムとして、脚光を浴びながら登場したHVプロトと較べ、見るべき先進的な技術水準のレベルは下がっている。もちろん、規定内でより車両戦闘力を高めるという意味では、ハイパーカーも日々の技術研鑽が必要なことは言うまでもない。基本は8MJ(メガジュール)、さらに10MJにも発展しようかという勢いを見せたHVプロト時代の技術進化を考えれば、新ハイパーカー規定は、先進技術の開発より競り合いのあるレース、競技性に重きを置いた車両規定ということができるだろう。トヨタGR010 HYBRID  フロントビュー

 大まかなハイパーカーの車両規定は、車両サイズがHVプロトよりひとまわり大きくなった点が特徴だ。TS050とGR010で較べた場合、GR010のほうが全高で100mm、全長で250mm大きくなっている。また、車重は160〜170kgほど重くなり、出力は最大680psに制限され、ハイブリッド方式のモーター出力は270psまでとされている。

 エンジンと2基のモーターによる合成出力が1000psだったTS050と較べると約3分の2の出力値だが、興味深いのは、ハイパーカー規定はハイブリッド、ノンハイブリッド(ガソリンエンジンのみ)の両方式が認められていることだ。なお、ハイブリッド方式は、モーター1基、出力は前輪のみに限られ、実際にはかなり制限されたパートタイム4WD(速度域、天候によって前輪の駆動域が制限され、実際、コース全周をまかなえるほどの電池容量も持ち合わせていない)と解釈してよいものだ。

 以上がル・マン・ハイパーカー(LMH)規定だが、これ以外にACOとIMSAが共同で設定したル・マン・デイトナ・h(LMDh)規定も新たに設けられている。こちらは2023年からの実施予定で、LMH規定のキットカー版、簡易HVシステム搭載クラスとして設定された点が大きな特徴となっている。

マシンパワー均衡で再参戦メーカー続々と 

 ハイパーカーは、その車両が1度認定されると5年間、内容の変更ができない規定となっている。正確に言えば、1度だけ「マイナーチェンジ」可能な設定となっているが、ハイパーカー規定初年度にGR010を登場させたトヨタにとって、残る4シーズン、新たに登場が予測される後発メーカーのHVハイパーカーに対して、劣勢を強いられることになるのではないか、と不安がよぎってしまう。トヨタGR010 HYBRID  リヤビュー トヨタ陣営の声を聞けば、このことは当然ながら想定済みで、それに対応する腹づもりもできている、とのことだが、ファン視点から言わせてもらえば、せっかくル・マン4連覇の実績を残したのだから、来年、なんとしても5連覇をなし遂げ、ル・マン100周年となる2023年の大会で6連覇を果たしてほしい、と願ってしまうのは高望みなのだろうか。いずれにしても、内燃機関が使える時代はあとわずか。HVの第一人者であるトヨタに頑張ってほしい、というのが偽らざるところだ。

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