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「この手があったか」ライバルが歯噛みした意欲作! 初代ワゴンRが爆売れした理由とは

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人/スズキ

ボディデザインは軽自動車ながらクッキリとシンプルだった

 外観では1680mm(ルーフレール込み)の高い全高と2335mmのロングホイールベース(当時のセルボ・モードがベースだった)に、右側1枚、左側2枚の1+2ドアが特徴。縦に大きいヘッドライトを配したデザインは、コンパクトな軽自動車ながらクッキリとシンプルであり、骨太感のあるもので、そんなスマートな道具感に好感の持てる仕上がりだった。初代ワゴンRのカタログ 室内も、今のような軽のスーパーハイトワゴンなどない時代だったから、スッキリとした広さに驚かされた。ポイントはフロアからシート座面を高い位置に置き、背中を立てて座る、いわゆるアップライトな姿勢としたこと。前席座面高は625mm(FF車)とし、反対にサイドシルは315mm(同)と低く、さらにドア開口部の上下寸法のゆとりも大きかったから乗降性のよさも特徴だった。

実用性をさりげなく高めるスマートなアイデアも満載だった

 また運転席をクルマの中心寄りに30mmオフセットした非対称レイアウトとし、シート自体も助手席より大きく設計。ドライバーがゆったりと座れるように配慮されていた。これは軽自動車以外のユーザーからも注目された理由のひとつでもあった。

 助手席の座面の下にセットされた約16Lのシートアンダーボックス、背もたれを倒すだけのワンアクションで座面が沈み込みながら畳まれるダブルフォールド式の後席など、実用性をさりげなく高めるスマートなアイデアも満載だった。初代ワゴンRのカタログ 登場直後初の追加機種は1993年11月登場の“Loft”で、(少し前の“コラボモデル”の記事で取り上げたばかりだが)このクルマには電動スライド式ガラスサンルーフを装備。初代ワゴンRのカタログ 1995年2月になるとターボを設定、さらに1996年4月には5ドアが特別仕様として登場し、同年8月には正式なカタログモデルとなった。初代ワゴンRのカタログ 1996年10月には発売から3年で累計販売台数50万台を達成。1997年になるとオールアルミのDOHCエンジン(ターボとNA)を登場させたほか、外観、インパネなどのデザイン変更を実施。この1997年には、1Lエンジンを搭載し、軽のワゴンRよりも全幅が180mm広いワゴンRワイドをデビューさせている。初代ワゴンRのカタログ

初スライドドア仕様のワゴンRスマイルが登場

 先ごろ、シリーズでは初スライドドア仕様のワゴンRスマイルを登場させたばかり。ワゴンRは初代の登場から数えて今年で早28年、現行モデルで6世代目となり、進化を果たしてきた。とはいえ、やはりワゴンRというと、いまだにこの初代のイメージが真っ先に頭に思い浮かぶのは、それだけ存在感、インパクトがあったということだろう。ワゴンRスマイル 初代ワゴンRの広報資料を見返すと「余暇の増大にともない、個人生活を大切に考える人たちが、ますます増えています」の文言があった。余暇の増大……はともかく、今でも(今だからこそ)通用する普遍的なコンセプトを打ち出したクルマだった。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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