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「体重が軽いヤツが速い」は本当か? サーキットでよく聞く「都市伝説」の真相を暴く

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: モビリティランド/Auto Messe Web編集部

「エアコンを入れたままサーキットを走れると壊れる」は本当か?

 次は「エアコンを使ったまま走ると壊れる」という話。エンジンをレブリミットまで回すサーキットは、各部の負荷も一般道と比較にならないほど大きい。確かに昔のクルマはエアコンを動かすコンプレッサーに大きな負担がかかり、何かしらのトラブルに繋がるため全開走行はエアコンをオフにするのが常識だった。しかし最近のクルマは電動コンプレッサーの採用などで負担が小さくなったり、オートエアコンは温度調節のため自動でエアコンをオン&オフするので、昔の都市伝説は必ずしも通用しなくなったといっていい。エアコン

 もっともコンプレッサーを動かすときの負荷によって、エンジンが多少なりともパワーロスするのは今も昔も一緒なので、全開でアタックするときにエアコンを切ったほうが有利なのは変わらず。暑さで朦朧として走るのはほかのクルマを事故に巻き込む可能性があり、状況に応じてエアコンを使いながら走るのがベストだ。

「サーキットでAT車は遅いしつまらない」は本当か?

 最後は「ATは遅いし壊れるし面白くない」という話を。走るなら絶対にMTと拒絶反応を示す人も少なくないが、今や乗用車は販売台数の90%以上がATで、AT限定免許の取得者も増えるいっぽうだ。GT-RやGRスープラをはじめ2ペダルのみのスポーツカーは数多くあり、その流れはミドルクラスやエントリークラスにも波及するはず。

 現時点では単純な速さだけならMTに一日の長があれど、ATでのスポーツ走行はまだ黎明期といっていい。今後チューニングやテクニックが熟成されるにつれ、その差は徐々に小さくなっていくに違いない。

 もうひとつの「壊れやすい」に関しても必要に応じて熱対策するのはMTと変わらず、独特なアイテムといえばATFやCVTオイルのクーラー程度だろう。さらに「面白くない」はハッキリいって食わず嫌いでしかない。N-ONEのワンメイクレースはCVT限定だが多くの参加者で賑わっているし、今年から始まったヤリスカップもCVTだけのクラスがある。

 今後はレースに限らず草の根イベントでも、ATやCVTがどんどん増えていくと予想される。MTにはMTの楽しさや魅力があるのと同じで、先入観だけでATを否定するのはナンセンスだ。この都市伝説はもはや『過去の遺物』と断言していいだろう。 

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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