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面白味のない「白」を一躍スターダムに! トヨタの「スーパーホワイト」が文字通りスーパーだった

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

「白」を高級でエレガントな色に仕立てた

 ホームセンターやスーパーの駐車場、渋滞の高速道路を見渡すと、白、黒、シルバーのクルマがほとんどのような気がする。今は知らないが、昔、ロンドン・ヒースロー空港へ初めて降り立ったときのこと。着陸態勢に入って次第に高度を下げていく飛行機の窓から見えた、どんよりとした空の下のロンドンの街並みのなかで、チョロチョロと走っているのが見えるクルマは、赤が多いのを意外に思ったことがあった。

 クルマのボディ色の流行は景気を反映するという説もあるが、TVに映し出される海外の風景を映像で見ていると、今はどこの国でもおしなべてモノトーンのクルマが多いような気がする。主張しすぎず目立たないこと……そんなメンタリティは日本独特のものかと思っていたが、最近はそうでもないのかもしれない。

今も昔も「白」が1番人気の色

 ところでクルマのボディカラーで“白”は、やはり今も昔も1番人気の色といえる。無難な色、下取りの条件がいい色など、理由もさまざまあるようだ。筆者自身は自分で所有したこれまでのおよそ20台のうち、白は1台目のチンク(フィアット500)のボサノバホワイトのただ1台だが、庭にカーポートがあったころだったから、サイドミラー下に水垢のぼやけた黒い線ができるようなことはなかった。

 国産車では1960年代くらいから思い起こせしてみても、オフホワイト系を含めてやはり白がイメージの車種が多い。いかにもポピュラーだったということだろう。

I〜IVまであったトヨタのスーパーホワイト

 だが、そのポピュラーだった白を一躍、高級でエレガントな色に仕立てたのがトヨタだった。古く“白いクラウン”は有名なところで、黒やシルバーがメインだったクラウンを、3代目のハードトップが登場した世代で、オーナーカーの白いクラウンは洗練されていて高級感があっていいでしょ、と訴求したのだった。スーパーホワイトを採用したクラウン

 そして、さらなる仕掛けが“スーパーホワイト”だったのである。少々記憶が疎かだったのであらためて調べ直したのだが、最初にスーパーホワイトが登場したのは4代目マークII(1980年)。続いて初代ソアラ(1981年)、7代目クラウン(1983年)だった。ときは“ハイソカーブーム”で、その火付け役となったのがほかでもない当時のマークIIだったが、ブームとともにスーパーホワイトも一気に人気の中心となった。スーパーホワイトを採用したソアラ

 次いでスーパーホワイトはスーパーホワイトIIへと進化。当時の正式な資料が手元になく正しい解説ができないのはご容赦いただきたいが、白の純度をより高めたといったところだったはずだ。このスーパーホワイトIIはおそらく歴代のスーパーホワイト系では一番長く広範囲の車種で使われた色で、手元のカタログをザッと見渡しただけでも、2代目ソアラ、8代目クラウン、4ドアハードトップにクリスタルピラーが採用された5代目マークIIとその兄弟車のチェイサー、クレスタ。さらに初代セリカXXやA80スープラ、私をスキーに……のセリカ、初代と2代目カリーナED、そして初代プリウスにも採用された。スーパーホワイトセリカXX

 さらに、ここからは迂闊にも認識が薄かったのだが、スーパーホワイトはIII、IVへと発展していく。スーパーホワイトIIIが設定された車種には2代目MR2、A70スープラと2代目ソアラの後期型などがある。スーパーホワイトIVについては、手元の資料が乏しいのだが、カタログで確認できたのは3代目のクレスタ(X80型)など。繰り返しになるが迂闊にも筆者の認識はスーパーホワイトIIまでだったから、今回、この記事のためにあらためて自宅の蔵カタログ(笑)をあれこれ発掘しながら、新鮮な感銘を覚えた次第だ。スーパーホワイトを採用したソアラ

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