富裕層にも浸透するアウトドアスタイルも影響か?
オフロードについては今まで沈黙していたが、「多様性」を謳いながら、そちらにも目を向け始めたレクサス。その背景には、もちろん空前のアウトドアブームもあるのだろう。「ソロキャンプ」や「ゆるキャン」なんて呼ばれるアウトドアスタイルが注目を集め、クルマについてもSUVが大ヒット。従来モデルも〇〇クロスとかのネーミングでSUVテイストを盛り込めば、販売台数を伸ばせる現状だ。
またゴージャスなアイテムでゆったりと自然を楽しむオーバーランダースタイルやグランピングなど、ラグジュアリーなアウトドアスタイルも浸透。LXがそういったユーザー層、とくにエグゼクティブにアウトドアを楽しみたい人たちをターゲットにしたのは間違いない。
よりオフロード性能を強調するSUVが世界でも大人気という背景も
ちなみにレクサスLXのライバルたるブランドを見てみると、メルセデス・ベンツのSUVはGL系よりGクラスが人気。ランドローバーはレンジローバー系より、オフロード色の強いディフェンダーが好調な売れ行きを見せる。つまりラグジュアリーより、本格派オフローダーが注目されているのが現在の自動車トレンド。元々、秀でた悪路性能や耐久性を備えたレクサスとしてはその素性を伸ばし、同時にそれをより強くアピールすることに異論も、抵抗もなかったはずだ。
EV、ハイブリッド、水素エンジン……。地球の環境変動にともないこれからのクルマ開発の向かうべきベクトルはまさに混沌としているが、同時に異常気象、災害なども頻発している。こんな状況に対峙するクルマとして機動力に優れたSUVは、じつに頼れる存在になるだろう。レクサスLXが全面的に悪路性能を打ち出してきたのは、そんな側面もあるに違いない。