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じつは「介護する側」の利便性が重要だった! 意外と知らない高齢者介護をする人が選ぶべきクルマの要件とは

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TEXT: 青山尚暉(AOYAMA Naoki)  PHOTO: 写真AC/Auto Messe Web編集部

座る動作の負担にもつながるヒール段差も重要なチェックポイント

 そして意外に気づきにくいのが、フロアに対するシートの位置=ヒール段差(高さ)。ここが低いと、座る際、足の屈伸、腰の移動量が多くなり、筋力が弱っ体だと、座るのがものすごく大変になる(※介助する側も同様だ)。同時に立ち上がりの容易性も悪くなるという理屈だ。ローソファから立ち上がるのと、ダイニングチェアから立ち上がるのとでは、どちらが楽かと考えれば実際にやってみればわかりやすいだろう。ヒール段差

 その一例として、親の介護用車として適する両側スライドドア付きのスーパーハイト系軽自動車の後席ヒール段差を、ステップ高とともに比較してみたい。日産ルークス:ヒール段差380mm/ステップ高360mm、スズキ・スペーシア:ヒール段差360mm/ステップ高345mm、ホンダN-BOX:ヒール段差355mm/ステップ高360mm、ダイハツ・タント:ヒール段差360mm/ステップ高370mmとなる。スズキ・スペーシア

 つまり、ほかの要件はともかく、全車ともに介護車として適切ではあるものの、ステップ高ではもっとも低いスペーシア、ヒール段差ではもっとも高いルークスが、介護用車の後席乗降性では優位にあると考えていい。もし、ヒール段差が330mmぐらいになってしまうと、健常者ならまったく問題ないが、要介護者の乗り降りになると、けっこう辛くなりがちだ。

便利なはずの後席スライド機構付き車はシート位置に注意

 そうそう、ミニバンやスーパーハイト系軽自動車には、後席スライド機構(ロングスライド機構)が付いているが、乗降間口を広げたいがために最後端位置にセットするのはNG。スライドドアから乗り込んだあとの、あるいは降車時の足腰の移動量が増えてしまうからである。適度な乗降空間(間口)を取りつつ、乗り降りのしやすさに配慮したスライド位置にセットしておくようにしたい。スペーシアのスライドドア

 よって、親の介護に適切なクルマは、スライドドア車を基本として、開口部の広さ、ステップの低さ、ワンステップフロアはもちろん、アシストグリップの位置&握りやすさ、そして後席のヒール段差にこだわって選ぶといいだろう。こらから介護頻度が進むこともあるから、それを見越しての選択も、筆者の経験から、重要だと思える。

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