切れ味鋭すぎて危険な領域! 走り屋に手に汗握らせた「AZ-1」という暴れ馬

切れ味鋭すぎて危険な領域! 走り屋に手に汗握らせた「AZ-1」という暴れ馬

この記事をまとめると

  • 1993年に登場したオートザムAZ-1
  • ミッドシップ・リトラクタブル・ガルウイングというスーパーカーようなルックスが特徴的
  • ステアリングのロックトゥロックが2.2回転とかなりクイックな仕様だった

ステアリングのロックトゥロックが2.2回転

 というのも、ミッドシップでフロントが軽く(前後重量配分44:56)、フロントの慣性が小さいうえに、ステアリングのロックトゥロックが2.2回転とかなりクイックな仕様だったからだ。そのため、やたらにステアリング操作に敏感で、よく曲がるといえばよく曲がるが、世の中の常として、よく曲がるクルマは直進性が悪い。オートザムAZ-1

 AZ-1はその典型的なクルマで、路面の影響を受けやすく、真っ直ぐ走らせるために神経を使い、高速道路のような路面でも疲れを覚えるほど。

 また、グリーンハウスにガラスを多用し、エンジンの重心高が高かったため(FFのアルトワークスのパワートレインを流用した)、ボディサイズの割にロールモーメントが大きく、得意のコーナリングでもコントロール性では苦労させられた一面もあった。オートザムAZ-1

 そういう意味で、乗り手を選ぶ危ない特性ではあったが、エンジンはS2000と同じく9000回転からレッドゾーンでパワフル。車重もスケルトンモノコック+FRPの外装のおかげで720kgと軽く、レーシングカート的な面白みがあった。オートザムAZ-1

生産台数は2年と11カ月で4409台だった

 バブル崩壊のあおりを受けて、総生産台数4409台、販売期間2年と11カ月と短命に終わってしまったが、あれほど尖りすぎていたクルマが新車で149万8000円だったというのはどうみてもボーナスプライス。

 今では許されない見切り発車ぶりであったため、もう二度とAZ-1のようなクルマは出てこないだろうが、合理的とはいえない異端のクルマが一台ぐらいあってもいいのではないだろうか?オートザムAZ-1

 軽カースポーツカー史上、もっとも尖っていたAZ-1。名車とはいえないが偉大な実験車的キャラ(AZ-1のOEM版の車名がスズキ・キャラ)として忘れられない存在だ。

車名の頭文字をとって「平成のABCトリオ」と呼ばれた、オートザムAZ-1、ホンダ・ビート、スズキ・カプチーノの3台。このなかでとくに運転が難しいと言われたのがAZ-1だった。路面の影響を受けやすく、真っ直ぐ走らせるために神経を使ったという同車をあらためて振り返る。