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さすがのR35GT-Rでも初期型は怖い! 多少ムリしてでも高年式の中古を選ぶのが正解だった

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

ミッションが奇数段もしくは偶数段しか入らなくなる不具合も発生

 トランスミッションではほかにも、奇数段もしくは偶数段しか作動できなくなる不具合も出ている。原因はふたつあり、ひとつ目はACM(アクチュエーターモジュール)内のシフトピストンとシフトフォークの嵌合部が摩耗によりスピンしてしまい、正常なギヤ位置を検出できなくなることで起こる。これは金属のコの字型対策キャップ(日産純正品、2010年式以降は装着済み)を取り付けることで完治させることができる。ふたつ目は油圧センサーの劣化(寿命)だ。これは新品交換で対応。ただ、最近は経年劣化による不定愁訴的なトラブルも報告されていてこれが怖い。R35GT-RのGR6トランスミッション

 また、ドライブギヤのCリングの形状が悪く、破損やギヤの脱落も発生。坂道で完全停止せずに、バックに入れるだけでギヤが抜けることがあるため、GR6(トランスミッション)の操作は確実に停止してから行うのが鉄則だ(初期モデルの車体番号5400番まで)。

 これを判断するにはとにかく試乗するしかない。さすがにこの部分が壊れたまま中古車販売店に並ぶことはないと思うが、念のため。不具合があれば助手席でも体感できるので、試乗はマストと言える(しかも複数台乗らないと判断できない)。こうした部品が交換されているかを確認する意味でも、やはり記録簿は必須。記録簿がない個体はGT-Rを知る人以外は手を出さないのが無難だろう。

最近はダッシュボードのセンターコンソール付近にクラックが入る報告も……

 これはトラブルではないが、初期型GR6は変速ショックが大きく、繫がりもあまりスムースではない。日産でもクラッチの繋がりを調整できるが、社外のTCM(ミッションコントロールユニット)のアップデートで2013年モデル用にバージョンアップしておけば、滑らかに繋がるのでオススメ。費用も10万円以下なのでぜひやっておきたい。

 走行面以外では、メーターのLEDランプが消えたり、AVユニットのスイッチ不良(音量が勝手に上がったり、ナビの操作ができなくなるなど)も経年劣化の事例として挙がっている。メーカー保証は5年10万kmなので、今後発生した場合は有償になるので必ずチェックしておきたい。

 また、最近発生しているのが、ダッシュボードのクラックだ。センターコンソールの左右に縦に細く割れるのですぐわかるはず。ちなみに前期型のダッシュボードは製造廃止になっているようで、在庫が無くなれば入手困難になることを覚えておきたい。そのほか、シフトノブやパワーウィンドウのパネルが傷んでいるクルマも増えた。毎日見る部分だけに確認しておきたい。R35GT-RのAVユニット

 エンジン本体は耐久性もあり、10万kmでも問題なさそうだが、補器類やゴムホースなどに経年劣化が出始めている。とくにラジエーターのアッパータンクやオイルクーラーのカシメ部分からの漏れが多い。15年落ちかつ、発熱量の多いエンジンだけに樹脂やゴム類は気にしておきたいところ。R35GT-RのVR38DETTエンジン

 少数だがエアコンのコンプレッサー、電動ファンリレー&コントロールモジュールなどにも寿命などによる不具合が出ている。目視点検はもちろん、購入後はディーラーやショップなどで点検、診断はしておきたい。

安心して乗りたいのなら無理してでも高年式モデルを選ぶべし!

 700万円の予算でR35GT-Rを買う。4年前までなら2011年、2012年モデルもなんとか狙えたので、普通に乗るならある程度は心配することなく、消耗品の交換程度で乗り続けられたが、現在は初期モデルしか選べないので、前述したとおり履歴がはっきりしていても、覚悟が必要なのは確か。「不具合に怯えながら乗るのは嫌」というならば、無理しても高年式モデル(2014~2015年がオススメ)を買ったほうが幸せになることは間違いない。仮に前述した不具合を直したら、トータルで高年式が買えたということも十分ありえる。R35GT-Rプレミアムエディションの走り

 かつては「頑張れば何とか手が届く範囲の高性能スポーツカー」であったGT-R。もはや、中古車でさえ、良質車両を選ぼうとすると、どの世代も簡単に手が届かないモデルになってしまった。購入はもちろん、維持することも含めてオーナーの気概が試されている。

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