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ホンダ・シビックは本当に凄かった! 感動必至の歴史を振り返る

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了/本田技研工業/Auto Messe Web編集部

残念ながらモデルチェンジの度に肥大化

 初代シビックは、丸7年のモデルライフを終え1979年7月に、2代目の通称“スーパーシビック”に移行。全長が350mmほど延ばされ、全幅も75mm拡げられました。車両重量的にも90kgほど重くなっています。ホンダ・シビック

 そして3代目の通称“ワンダーシビック”、4代目の通称“グランドシビック”、5代目の通称“スポーツシビック”、そして6代目の通称“ミラクルシビック”あたりまでは、モデルチェンジの度にサイズアップしていきながらも全幅1700mmの5ナンバー規格は厳守されていました。ホンダ・シビック

 “グランドシビック”まではグループA規定による全日本ツーリングカー選手権(JTC)を戦っていましたから、その影響もあったのかもしれませんが、ともかく野放図に肥大化することは避けられていました。ホンダ・シビック

 ところが、2005年に登場した8代目では遂に5ナンバー枠を突き破って全幅は1750mmとなってしまいました。こうなると歯止めが効かなくなったか現行の11代目では何と全幅1800mmに。トヨタはクラウンの開発に際して、全幅は1800mmまでに収める、という大原則があると聞いたことがあります。そのクラウンと全幅が同じシビックってどうなの? と思わずにはいられません。ホンダ・シビック

 確かに、北米で売るためには大きなサイズが必要であるとの論も分かりますが、シビックといえばコンパクトでシンプルだった初代モデルのRS、というホンダファンにとっては納得できない論法です。しかも3ナンバーボディの4ドアセダンが先行した8代目では、ヨーロッパで確実なマーケットがあるコンパクトな3/5ドアハッチバックを、ひと回り小さいフィットのプラットフォームを使って製作するという“ウラ技”を使っているのですから、もう、何をかいわんや、です。

 もちろん3ドアハッチバックのTYPE Rが素晴らしいクルマであることはインプレッションで納得できているのですが、何だかなぁの思いが残ります。ホンダ・シビック

 そんなTYPE Rと同じく、大きくなったシビックも、例えば北米仕様をアメリカで乗ったらベストサイズと思うかもしれませんし、欧州仕様をヨーロッパで乗ったら、これがベストサイズだね、と思うかもしれません。でも日本のホンダファンのほとんどが、国内で乗るためのシビックを欲しいと思っています。ホンダ・シビック

 かつてホンダのオーナークラブの会報か何かで読んだのですが「世界のホンダにならなくてもいい。私たちだけのホンダであり続けてほしい」という一節がありました。もちろん、世界のホンダであるからこそ、これからも魅力的なホンダ車を造り続けてくれるのでしょうから、一節の前半はともかくとして私達が愛し続けられる、憧れ続けられるホンダであってほしいというのはファンの偽らざる想いです。

 ところで、とあるクルマファン、ホンダファンの会話です。「最近ホンダのクルマ、でかくなったよね」、「そうだよ。アコードってコンパクトな中にも上質で上品なクルマだったけどね」、「それを何だよ、さっきのアコード見た?」、「うん、見た見た」、「あんなにでかくなったら、もうアコードじゃないよね」…「ってさっきのはアコードじゃなくてシビックだった!?」。こんなジョークがジョークとして笑い飛ばせるよう、これからもホンダには頑張ってほしいものです。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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