モノコック全盛のいまでもランクルやジムニーが採用する「ラダーフレーム」! 古い構造のドコにうま味があるのか? (2/2ページ)

クロカン4駆でラダーフレームが多用される理由は

 軽量で剛性も確保できる、とクルマにとっては最適なモノコックフレームですが、本格的なオフロード走行を得意種目とするクロスカントリー4輪駆動、いわゆるクロカン4駆ではラダーフレームを使用するのが今でも一般的です。もちろん、それにはちゃんとした理由があります。

 ラダーフレームは、それ自体にエンジンを搭載し、サスペンションも組付けられているためローリングシャシー状態で、ボディがなくても走行できるのが大きな特徴。なので、例えばオフロードを走行中に横転しても、その場から移動することも可能です。もっと正確に言うなら、ラダーフレームのクルマは、モノコックフレームのクルマに比べてその可能性が高い、ということになります。もちろんそれは究極のシチュエーションで、確かにそんなこともあるよね、という程度だと思っています。

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LJ20ジムニーのラダーフレーム画像はこちら

 それよりもラダーフレームは適度に「しなる」ことが大きなメリットではないでしょうか。モノコックは鉄板で構築した「ハコ」なので、しなっても極わずか。それに対してラダーフレームのしなりは随分大きなものとなっています。掲載した写真のなかで右前輪と左の後輪を切り株に乗り上げた状態のラダーフレームに注目してほしいのですが、サスペンションのストロークに加えてラダーフレームがしなることで、4輪がちゃんと路面に接地していることが分かると思います。

ラダーフレームのメルセデスベンツ・ウニモグ画像はこちら

 これは7年前にドイツ、シュトゥットガルトの西、約100kmのガッゲナウ(Gaggenau)にあるウニモグ博物館で撮影したものですが、流石に唖然としたことを記憶しています。同様に独立懸架ではなくリジッドアクスルの採用が一般的になっているのも、泥濘地や岩場で、スタックした際に抜け出しやすいよう考えられているからに他なりません。独立懸架ではなく左右の車輪が一本のアクスルでつながっているからこそ、車両重量をうまく掛け、結果的に脱出を可能にするという論法です。

1956年式ウニモグのシャシー構造画像はこちら

流行の「クロスオーバー」はモノコック構造

 もちろんラダーフレームが万能というわけではありません。モノコックフレームは先に触れたように、充分な剛性を確保しながらも軽量に仕上げることができまし、乗り心地も快適に仕上げられます。

 そこで最近増えてきているSUVの多くが、モノコックフレームを持った一般的なクルマと、クロカン4駆の間にあって、両方のいいとこどりをした「クロスオーバーSUV」と呼ばれるモデルです。砂漠に冒険旅行に出かけるわけじゃないので、フレームだけになっても何とか帰ってこられる、ようなシチュエーションを考える必要もありませんし、普段使いなので優しい乗り心地も欲しい……。そんなリクエストから誕生したのが「クロスオーバーSUV」です。

 適度にシートが高くてドライバーのアイポイントも高いから、ドライブする際に周囲の確認が容易になるというメリットは分かりますが、周囲がすべて「クロスオーバーSUV」となりつつある現在では、このメリットもどうでしょう? 個人的には無用にクルマを肥大化させ、貴重なエネルギーの浪費に繋がっているような気がして、どうしても食指を動かす気になりません。もちろんそれを望む人の趣向を否定するものではありませんが。

トヨタ70系ランドクルーザーのラダーフレーム画像はこちら

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