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いま「旧車女子」が急増中! 愛せる見た目と扱いやすさで初心者にオススメの輸入クラシックカー4選+α

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典/STELLANTIS/Volkswagen/Auto Messe Web編集部

その3:フィアット・パンダ(初代/1980~2003年)

 ジョルジェット・ジウジアーロがデザインを担当し、彼の傑作のひとつとして数えられている初代「フィアット・パンダ」は1980年にデビュー。斬新なコンパクトカーで、平面ガラスと曲面を見つけるのが難しいボディパネルで構成されたスタイルが特徴だ。

1980年デビューのパンダも日本でいまも多く走っている

 日本へは、まず排気量902ccの水冷4気筒エンジン搭載車が1982年に上陸した。ちなみに、ヨーロッパでは、排気量652ccの空冷2気筒エンジン搭載車もラインアップされていた。ウェーバーのシングルキャブを備えたエンジンは、当時の日本車と比較するとやや非力だったが、エンジンを思い切り回すと元気よく走ってくれた。そういうところもイタリア車の魅力のひとつである。メーカー発表値の最高速は140km/hで、十分な性能を与えられていた。

902ccの4気筒エンジン車は海外でパンダ45と呼ばれる

 シートはパイプフレームをベースとしたハンモックタイプで、シンプルながらホールド感と座り心地のよさを両立。4×4という名の4WD車もラインアップされており、予想を超える走破性を持つコンパクトカーとして日本でも数多くのファンを獲得した。

 1986年にリリースされた後期型は、フロントグリルのデザインが変わっているのですぐさま判別でき、水冷4気筒エンジンの排気量が999ccへと拡大された。最終型のパンダ・スーパーieはキャブをインジェクションに代え、より一層のパフォーマンスアップが図られている。

後期ではフロントグリルのデザインが変わっている

 1991年に無段変速機(CVT)を備えた「セレクタ」と呼ばれる2ペダルのグレードが登場しており、パワーアシストが無いハンドルが少し重いものの、セレクタであれば免許を取り立ての女性であっても容易に運転することができる。セレクタに採用されたベルト式CVTは、富士重工業(SUBARU)から供給されたECVTで、これがトラブルを起こすと厄介。購入時は必ず試乗し、ギクシャクしないで走れることを確認していただきたい。

CVTの2ペダル仕様「セレクタ」もある

その4:フォルクスワーゲン・ゴルフII(1983~1992年)

 スタイリングとパッケージングをジョルジェット・ジウジアーロが手がけ、世界の大衆車のベンチマークとなった「VWゴルフ」は、1983年のフルモデルチェンジで2代目へと進化。「ゴルフII」と呼ばれる2代目のデザインは初代を踏襲したもので、これはVWの社内でデザインされたものだ。ボディ形状は3ドアと5ドア。

 グレードは、Ci、CLi、GLi、GLX、GTI、GTI 16Vというラインアップで、Ciがベーシックグレード、GLiが上級グレード、グリルやバンパーなどに赤いストライプが入るGTIが走りに特化したホットバージョンということになる。

1983年デビューのゴルフIIはパーツも多く丈夫で維持しやすい

 1974年に登場したゴルフIが1983年にゴルフIIへとフルモデルチェンジした際に、オープンモデルの「カブリオ」は初代のボディを持つ仕様がそのまま継続販売されるかたちとなった。モデル末期の1991年に最終限定車の「クラシックライン」が発売され、初回の販売時にグリーンメタリックとダークブルーメタリック、2度目の販売時にグリーンメタリック、ダークブルーメタリック、ワインレッドメタリックがリリースされた。

オープンカーのゴルフ・カブリオ

 ゴルフIIはサイズ的にも性能的にも「ちょうどいいクルマ」で、なおかつ丈夫なので長く付き合うことができる点がポイントだ。いまでも、バランスがいい、ボディが軽い、剛性が高い、構造がシンプル、ヘンな電子制御が入っていない、走らせて楽しい、室内が広い、使い勝手がいい、足まわりがしっかりしている……などなど、ゴルフIIを紹介する際の褒め言葉は山ほどあるので、クラシックカー界においてもベンチマークなのであった。

 買って失敗しないといえるが、1983年にデビューしたクルマなので、日常の点検や転ばぬ先の杖的な整備などをきちんとする必要があることをお忘れなく。

実用的なハッチバックとして美点だらけのゴルフII

番外編:アルファロメオ2000GTV(1971~76年)

 往年のアルファロメオなので「昭和なクラシックカー」というよりも「バリバリの旧車」と記したほうがいいような気がするが、「アルファロメオ2000GTV」を愛用している旧車女子もいるので、最後に紹介しておこう。

1975年式アルファロメオ2000GTVに乗るTさん

 初代「ジュリエッタ」の後継モデルとして1962年に登場した「ジュリア」は、当初ベルリーナ(イタリア語でセダンのこと)のみが新しいボディでラインアップされた。完全なる新型車として先行登場した4ドアセダンは、コンパクトな車体にスポーツカー並みのDOHCエンジンを積んだ高性能サルーンとして人気を博し、アルファロメオは後に大人気モデルとなる2ドアクーペ仕様をその好況下で市場投入した。

 2ドアクーペのエクステリアのデザインを担当したのはカロッツェリア・ベルトーネで、若き日のジョルジェット・ジウジアーロが手腕を発揮。現在も彼の代表作のひとつとなっているこの新しい2ドア4座クーペは1963年に登場し、「ジュリア・スプリントGT」という車名が与えられた。

1963年に登場したジュリア・スプリントGT

 ベルリーナやスパイダーと同じように2ドアクーペもつねに進化発展していったが、ジュリア・スプリントGTは1964年にカロッツェリア・トゥーリングがオープン化した「ジュリア・スプリントGTC」が追加設定された。そして、高性能版の「ジュリア・スプリントGTヴェローチェ」(GTVとも表記。ヴェローチェ=イタリア語で、速い、の意味)が1965年に登場した。

 このパワーアップ・バージョンの登場により、オリジナルのジュリア・スプリントGTは1966年に生産終了となり、1967年には段無しボディに4灯式ヘッドライトを組み合わせた「1750GTV」が登場。そして、1971年に1750GTVが「2000GTV」へと発展した。

2000GTVのエンジン

 アルファロメオ・ジュリア・シリーズの最終バージョンである2000GTVには、3速AT仕様も用意されており、この仕様(1975年式2000GTV)を筆者の古くからの知人であるTさんが2011年から愛用している。

「オートマですけど、めちゃくちゃ速く、加速もイイです。北海道を一周してきたことがあり、今度は九州を走ってきます」とはTさんの言葉で、旧いアルファロメオのある生活を日々満喫しているのであった。

 とにかく丈夫で理不尽な壊れ方をしないジュリア・シリーズは、輸入車ビギナーも安心して買うことができる。毎日乗れる旧車として、いま人気が再燃している最中だ。

ジュリア・シリーズは乗りやすくいまも人気

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  • オースチン製のミニ
  • 1959年に生まれたミニ
  • コンパクトでいながら後部座席もしっかり座れる
  • 当時画期的な構造のFF車だった
  • 1957年にデビューした2代目フィアット500
  • 屋根のラグトップも特徴的
  • 総生産台数は360万台を超える
  • 軽快な走りを楽しめる
  • 500はミニと真逆のリヤエンジン・リヤドライブ
  • 後期ではフロントグリルのデザインが変わっている
  • 1980年デビューのパンダも日本でいまも多く走っている
  • 902ccの4気筒エンジン車は海外でパンダ45と呼ばれる
  • CVTの2ペダル仕様「セレクタ」もある
  • 実用的なハッチバックとして美点だらけのゴルフII
  • オープンカーのゴルフ・カブリオ
  • 1983年デビューのゴルフIIはパーツも多く丈夫で維持しやすい
  • 1975年式アルファロメオ2000GTVに乗るTさん
  • ジュリア・シリーズは乗りやすくいまも人気
  • 2000GTVのエンジン
  • 1963年に登場したジュリア・スプリントGT
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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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