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ホーンを手掛ける会社が初参戦!「TGRラリーチャレンジ」でクラス優勝した「丸子警報器」とは

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明/丸子警報器

結果は堂々のクラス優勝

 先日、3年ぶりにToyota Gazoo Racingラリーチャレンジ(以下:ラリチャレ)の八ヶ岳茅野ラウンドが開催された。この茅野戦に新チームを立ち上げてラリーに参戦を開始したとあるエントラントに注目した。ボディにはマルコホーンとあり、一瞬イタリアのホーンメーカーとか? と思うかもしれないが、そうではない。

ラリチャレに参戦するマルコホーン

新規参戦チームは自動車用のホーンだけを作っている丸子警報器

 じつはこのラリーチームのベースとなるのは、丸子警報器という長野県上田市に本拠を置く警報機メーカーである。会社名からすると、「サイレン」や「警報ブザー」のようなさまざまな警報器関連商品など作っているのかと想像するが、なんと自動車用のホーンだけを作っているという専業メーカーで国内トップクラスのシェアを持つ会社だ。長野県上田市に本拠を置くが、会社名はその旧丸子町(まるこまち)に由来しており、創業以来この1拠点で開発・生産を一貫して行っている。

マルコホーン 1949年に創業し、古くはスバル360やトヨタ2000GTの純正ホーンとして採用されてきた。国内メーカーへの納入では、現在トヨタ車国内生産分(シェア60%)をはじめ、ダイハツ・スバル・マツダ・いすゞ・日野などにも納めている。

 また、レクサスの純正ホーンは99%のシェアで、レクサスLFAで装着された渦巻3連ホーンも丸子警報器製である。メーカー純正採用だけでなく、海外への輸出も含めアフターマーケット市場も、「MARUKO HORN」ブランドで展開中。2019年度の実績では年間生産個数約670万個を達成している。

マルコホーン ちなみにホーン(警音器)は、クルマが能動的に発することが決められており、見通しの悪い場合などに注意喚起をするために使用されるもの。ちなみに国内ではクラクションとも呼ばれるが、これはフランスのホーンメーカーの「Klaxon(クラクソン)」社に由来する呼称で、ホーンが正式呼称。現在ホーンの主流は「平型」もしくは「渦巻き型」と呼ばれるものが大半となる。ほかには「エアホーン」なる圧縮空気を使用したものも存在する。

 その構造としては、スイッチのオン/オフで振動を作り出し、それを音にする構造。電磁石に通電し接点部が吸引される→接点が切れる→板バネの力で引き戻される→接点が繋がり吸引される、を繰り返すことになる。そういう点では電気ベルと似た原理。ベルの場合はゴングを鳴らすことで音を発生させるが、ホーンの場合は、振動板(ダイヤフラム)と呼ばれる部品を振動させて音を発生させている。

マルコホーン「平型」と「渦巻き型」の違いについては、ホーンの最前面にある円盤型の共振板(レゾネータ)により音を増幅することで、金属的で甲高い音を発生させるのが、平型。

 車両1台につき周波数の異なる2個を使用して和音を作るのが主流だが、安価な車両の場合はひとつのみということも多い。なんといっても安価で小スペースであること。それに加え軽量で、音量が大きく音の指向性が強いというメリットを持つ。

マルコホーン 一方の「渦巻き型」はいわゆるカタツムリのような渦巻き(トランペットのような役割を持つ)をホーン前面に置き、これにより音を増幅。楽器的で高級感のある音色が特徴だ。こちらは基本ふたつ使用する(稀にひとつだけの市販車もある)。

マルコホーン ちなみに、このラリチャレに参戦となった伊豆野康平・加瀬谷元晴組(ゼッケン139 丸子警報器ヴィッツ/NCP131/E-1クラス)だが、このドライバーの伊豆野選手は、2009年からラリー活動を始め、世界ラリー選手権へのスポット参戦。これまでに、このラリチャレでもシリーズタイトル(2016年、2017年/E-2クラス東シリーズ)も獲得しているドライバーで、この八ヶ岳茅野戦でももちろんクラス優勝を果たしている。

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