クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • 曾祖父が買ったクルマを4代乗り継ぎひ孫がレストア! 90歳なのに実走行わずか5700kmのシボレーの物語
CLASSIC
share:

曾祖父が買ったクルマを4代乗り継ぎひ孫がレストア! 90歳なのに実走行わずか5700kmのシボレーの物語

投稿日:

TEXT: 牧野森太郎  PHOTO: 牧野森太郎(Shintaro Makino)/Kevin Gilfether

  • 1937年に撮影された曾祖父と曾祖母
  • ホットロッドのメカニックとして働くケビンのガレージ
  • ケビンの手で綺麗によみがえった32シェビー
  • よく見ると黒と紺のツートーンカラー
  • 直列6気筒3.2Lエンジン
  • インパネもオリジナルのまま
  • 豪華な後部座席
  • ケビンがおじから引き取った時点の写真

アメリカで出会った、奇跡のような1932年式シボレー

 アメリカを旅行中に、「知り合いがすごいクルマを持っているから、見にいかない?」と誘われて、ある男のガレージを訪ねた。すると、そこには見たこともない驚愕の一台が入っていた。1932年製シボレー・スペシャル・セダンだ。と言われても、ピンとこないかもしれないが、このクルマのすごさは、実走行3551マイル(約5700km)の完璧なフルオリジナル、しかも、車体のシリアルナンバー、どこの工場で何台目にラインオフされたか、どのディーラーで販売されたかなど、すべての情報が正確に残っている点にある。アメリカのカーカルチャーの奥深さが実感できる一台なのだ。

ひ孫のケビンがガレージでDIYレストア

 オーナーのケビン・グリフェザーは、ホットロッド界の重鎮、バーン・バルデスのガレージでメカニックとして働きながら、自宅のバックヤードでフォルクスワーゲンのレストア、ビルドアップを仕事にする根っからのカーガイ。ビンテージカーの再生は得意中の得意だ。

 それに加えて、このシボレーの最初のオーナーは、彼のひいおじいちゃん。その後、おじいちゃん、おじさんとファミリーが乗り継ぎ、ケビンは4代目のオーナーとなる。完璧な記録が残っているのは、こうした事情による。

「初めてこのクルマを見たのは、まだ子どものころ。1970年代だったな。おじいちゃんの家のガレージに入っていて、すげーカッコいいクルマだな、と思ったよ」と、ケビンは回想している。

ホットロッドのメカニックとして働くケビンのガレージ

90年前に新車購入したときの資料がそのまま残存

 ケビンのひいおじいちゃん、ジェームス・アンブローズ・グリフェザーが自家用車を買い替えたのは、1932年3月31日。ちょうど90年前だ。購入したのはオークランド市6thストリート417番地にあったシボレー・ディーラーのコクラン&セル社で、ダッシュボードに張られたままのデカールがそれを証明している。じつはこの会社、住所は移転しているがオークランド市内に現存している。

左:新車購入時のオーナーカード、右上:ディーラーのデカール、右下:ボディタグ

 ボディに留められているフィッシャー・ボディタグには、以下の情報が記されている。

JOB NO. 32569
BODY NO. O 3246
TRIM NO. 17
PAINT NO. 99

 JOB NOの最初の2ケタは製造年の1932年を表し、569はボディ型式「スペシャル・セダン」のコード番号。BODY NOの最初のOはオークランド工場で、3246は3246台目にラインオフされたスペシャル・セダンであることを表している。

 TRIM NOとは、内装生地、ヘッドライナー、ドアパネルなど、いわばインテリアに関するオプションナンバー。PAINT NOは、ボディはもちろん、ホイール、インパネ、フード、フードのモールディング、さらにはピンストライプ、ウインドウのオフセットなど詳細なカラーリングの注文内容を表す。これを資料と照らし合わせてみると、ボディは黒とモンゴネーズ・ブルー(IM-713)、ピンストライプはクリーム&ロレインブルー、ホイールはミディアム・クリームだったと割り出すことができた。

ケビンがおじから引き取った時点の写真

12

 

 

 

 

 

 

ranking

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

ranking

AMW SPECIAL CONTENTS