マツダやトヨタがかつて採用した「絶壁」とは? 個性的な「クリフカット」採用のカルトカー6選 (1/2ページ)

マツダやトヨタがかつて採用した「絶壁」とは? 個性的な「クリフカット」採用のカルトカー6選

後席のヘッドルームを拡大し日除け効果もある

 近年は「魂動(こどう)-SOUL of MOTION」というデザイン哲学のもと、生命感あふれるダイナミックなデザインのクルマを創造してきたマツダ。これまでにもいくつかエポックメイキングなデザインを世に問うてきました。1962年にリリースした軽乗用車、キャロルでは『クリフカット』と呼ばれるデザインを提言。今回は、内外の例を引き合いにしながら、振り返ります。

斬新なデザイン手法は採用した多くのモデルで大きな話題に

 キャロルでは、逆傾斜に切り立っていたリヤウインドウがデザイン上の大きな特徴となっていましたが、このリヤウインドウを逆傾斜に切り立たせたデザイン手法を『クリフカット』と呼んでいます。キャロルは、クーペR360で軽乗用車マーケットに進出したマツダ(当時は前身の東洋工業)が、本格的な参入を期して第二弾として投入したモデルで、プッシュロッドのOHVながら軽自動車で初となる水冷直列4気筒エンジンを採用。デビュー1年後には、これも軽自動車初の4ドアを採用するなど、メカニズム的にもさまざまなエポックを提供していました。デザイン面でも『クリフカット』のリヤウインドウを採用し、大きな話題となっています。

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マツダ・キャロル画像はこちら

 国産車ではキャロルがもっとも有名ですが、そのキャロルがマツダ700として参考出品された1961年の第7回全日本自動車ショー(現在の東京モーターショー)に、スズキ(当時は前身の鈴木自動車工業)が参考出品したスズライト・スポーツ360も『クリフカット』のリヤウインドウを採用。近年ではトヨタが2000年にリリースしたWill Viが同様に、リヤウインドウを逆傾斜としていました。

 初代ヴィッツのプラットフォームにノッチバックの4ドアセダンボディを架装したWill Viは、かぼちゃの馬車をモチーフとしたデザイン(スタイリング)が話題を呼びました。なかでも逆傾斜としたリヤウインドウが最大の特徴となっています。

 海外での採用例を見てみると、50年代のアメリカ車で採用した例がいくつか見受けられ、手許にある写真では3年前にアメリカはインディアナ州サウスベンドのスチュードベーカー博物館で撮影した1956年のショーモデル、パッカード・ペディクター(Packard Predictor)は、その嚆矢(のひとつ)のような気がします。

 厳密にいうとペディクターのリヤウインドウは垂直の格納式とされていますが、『キャノピー・スタイル』と呼ばれるCピラーのデザイン処理などは、リヤウインドウのクリフカットに繋がるものが感じられます。パッカード・ペディクター画像はこちら

 量販モデルでは59年に登場したフォード・アングリアが『クリフカット』を採用していました。フォードと言ってもアメリカ本国ではなくこちらは英国で営業展開していた英フォードのことで、それまでコンサバなデザインでできていたものが、ここで一気に斬新なデザインを採用したという訳です。

 モノコックボディにフロントがストラット式/リヤがリーフ・リジッド式のサスを組み付け、フロントに搭載された1Lの直4で後輪を駆動するというメカニズム的にはコンサバな1台でしたが、イギリス・フォードとしてコーティナに次ぐ量販モデルとなりました。フォード・アングリア画像はこちら