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日産「ブルーバード」で最も人気があった「510型」は「フェアレディ240Z」と兄弟関係にあった!? 華麗なるモータースポーツの戦績とは

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了/日産自動車/Auto Messe Web編集部

モータースポーツにも積極的に参戦しサファリラリーで総合優勝!

 ブルーバードは歴代モデルがモータースポーツで脚光を浴びたクルマとしても知られています。510系の3代目で言うなら、もっとも有名だったのはサファリ・ラリーでの活躍でしょう。1968年には2代目の410系がクラスで1-2フィニッシュを飾って期待が高まるなか、1969年には、これがデビュー戦となる3代目の510系が登場します。

 日産のワークスチームだけでなく、地元のプライベートチームも含めて多くのブルーバードが出走し6台が完走。最上位は総合3位でふたたび1600ccクラスを制しています。そして翌1970年、ブルーバードSSSは期待通りの活躍を見せることになりました。日産ブルーバード

 エドガー・ハーマン組とジョギンダ・シン組が見事1-2フィニッシュを飾るとともに、トップ10フィニッシャーの4台を占める安定した力を見せ、総合優勝とクラス優勝、チーム優勝の三冠を果たしたのです。続く1971年には主戦マシンがブルーバードSSSからフェアレディ240Z(参戦車両名は、輸出名のダットサン240Z)に変更されています。

 じつはブルーバードSSSとフェアレディ240Zは、ある意味兄弟の関係にあって、ブルーバード1600SSSが搭載していたL16 エンジンとフェアレディ240Zが搭載していたL24エンジンは、ともにボア×ストロークが83.0mmφ×73.7mmで共通しており、ピストンやバルブなどエンジンのチューニングパーツの多くが共用できたのです。

 このようにして、主戦マシンとして戦ったのは1969年と1970年の2回のみでしたが、1969年には総合3位/クラス優勝。1970年には総合優勝/クラス優勝と、見事な戦績を残しただけでなく、1971年から主戦マシンとなった240Zにさまざまな技術が継承されていたのです。

国内においても数々のレースで活躍した

 ブルーバード1600SSSの活躍はラリーだけに留まることはありませんでした。国内レースでは、1964年に行われた第2回日本グランプリのサポートレース、TⅣレースで2代目(410系)の1200SSが上位を独占していましたが、これに続く3代目(510系)の1600SSSも多くのレースで活躍しています。

 1968年の8月に鈴鹿で行われた全日本鈴鹿自動車レースでは、トヨタ7やフェアレディ2000と混走となったIIクラスレースにおいて砂子義一選手が総合7位/クラス優勝。また1969年の3月に行われた全日本鈴鹿自動車レースでも、ポルシェ・カレラ6などとの混走レースとなりましたが、黒澤元治選手が総合4位/クラス優勝を飾っています。

 ただし日産に吸収合併される前のプリンスにはスカイライン2000GTがあり、トヨタにはツインカムエンジンを搭載した1600GTがあり、と手強いライバルも数多く、その活躍にはやはり限りがありました。さらにプリンスを吸収合併したあとは、新型スカイラインに追加投入されたGT-Rが日産の主戦マシンとなったことから、活躍の場にも限りが出てきたのが実情でした。

* * *

 それにしても当時のツーリングカーレースは、ブルーバード1600SSSはもちろんですがスカイライン2000GTやスカイラインGT-R、そしてトヨタ1600GTと“箱形”のレースマシンのオンパレードで、まさにハコ車レースとなっていました。それは激しいバトルの中に長閑さもあった良き時代でした。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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