70年代のスーパーカーといえば「カウンタック」
ランボルギーニ「カウンタック」が、1970年代から1980年代にかけてのスーパーカーの象徴的な存在であったことに異論を唱える者はいないだろう。フェラーリをはじめ、確かにライバルは多く存在したかもしれないが、カウンタックの持つ、ウェッジシェイプを特徴とする独特なスタイリングは、それだけでスーパーカーに必要不可欠な速さというものを見事に演出することに成功していた。
横置きから縦置きのリヤミドに
カウンタックは1971年に発表されたプロトタイプの「LP500」に始まり、「LP400」、「LP400S」、「LP500S」、「5000QV」、そして1990年に生産を終了する「アニバーサリー」に至るまで進化を続けるが、それはつねにパワーと実用性との戦いであったともいえる。
ここで紹介するのは、2022年のペブルビーチ・オークションでRMサザビーズ社が出品したLP500S(LP5000S)である。ホワイトのボディカラーに、ホワイトを基調色としたインテリアカラーのコンビネーションがじつに魅力的な1台だ。
「L112」の開発コードでプロジェクトが開始されたカウンタックは、しかしながらエンジニアリング面では非常に大きな苦労を強いられたモデルだった。L112のパワートレーン配置は、ミウラの横置きV型12気筒から縦置きV型12気筒へと変わり、ギヤボックスはエンジンの前方に、ここからトルクは180度方向を変えてデファレンシャルへと戻る仕組みになっている。それによってより低く、安定感のあるコーナリングをL112、すなわち後のカウンタックは得ることが可能になったのである。