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「500/チンクエチェント」だけじゃない! FF時代の先駆け「127」はサンデーレーサー仕様で楽しめるクラシック・フィアットでした

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 宮越孝政

粋なサンデー・レーサー仕様で遊ぶのもイタリア流

 今回ご紹介するこちらのフィアット127は1972年式で、ヒルクライム競技などの参戦を前提に、競技車両としてイタリア本国で仕上げられた個体だ。排気量の拡大やハイリフト・カムシャフトへの交換、キャブレターをウェーバー製にするなどのチューニングが行なわれており、ノーマルの903cc・47psから1050cc・75psにまで高められている。当然ながら増大したパワーに対応して、足まわりやブレーキも強化。

 運転席と助手席はバケットシートに交換され、その後方には消火器も備える。内装が剥がされリヤシートもオミットされた室内にはロールケージが張り巡らされ、リヤの両サイドとテールゲートのウインドウもアクリル製に交換されるなど、軽量化にも余念はない。イタリア製小型車は、こういったモディファイがじつに様になる。

* * *

 128とともにフィアットの前輪駆動化シフトの鏑矢となった127は1977年まで生産され、大フィアットのロワー・グレードを支えるという大役を見事にこなした。そんな127はまた、かつての500や600などと同様にサンデー・レーサーたちの格好の相棒にもなったのだ。

 財布の軽い若者やヤング・アット・ハートなお父さんが、手頃な大衆車をベースにコツコツと手を加え、週末のアマチュア競技会に出かけていく……。そんなイメージに仕上げられた旧き佳き「サンデー・レーサー仕様」を手に入れて遊ぶという選択は、じつは想像以上に現実的で健全な「贅沢」といえるのではなかろうか。

■取材協力

晨風
住所:千葉県市原市千種1-8-1
TEL:0436-20-2777
https://shinpu.jpn.com

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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