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フィアット「デュカト」のご先祖さま「238」と「241」とは? いまキャンパー仕様やキッチンカーとして注目集まる

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 宮越孝政/長尾 循

オバフェンの「500」も余裕で積める「241」トラック

 もう1台の白いフィアット製商用車は「241」と呼ばれる小型トラック。見た目は238とほぼ同じに見えるが、こちらはコンベンショナルなフロントエンジン・リヤドライブ(FR)。縦置きエンジンのカバーが左右の座席の間に大きく張り出すため、3人乗りの238と異なりシートは2座となる。1965年から1974年にかけて生産され、やはり様々なボディ・バリエーションが存在した。

 エンジンは1.5Lのガソリン、もしくは1.9Lディーゼルが用意されたが、ここで紹介する1972年式の個体は1.5Lのガソリン車。コラムシフトの4速というところに時代を感じさせる。イタリア現地ではプライベート・レーシングチームのトランスポーターとして使われていたそうで、現状では車両積載時に使うラダーや車載ウィンチなどの装備もそのまま残っている。まるでコンテナそのものような無愛想で潔い大容量の荷室も好ましい。

 この原稿を書いている時点ですでに238は売約済みで、新たなオーナーはキッチンカーとして改装する予定とのこと。そしてこちらの241も、日本における第2の人生においては同様の使われ方が想定されている。

地元イタリアでは長く愛されてきた身近な存在

 フィアット238や241は、母国イタリアでは数多くのミニカーにもなっていることからも分かる通り、かの地では非常に一般的な存在で、ヒストリックカーとしての認知度も高い。しかし、もちろん日本ではそうではない。それは欧州の人々が初代「トヨエース」に郷愁を感じないのと同じ理屈であろう。

* * *

 この238や241を今「ヒストリックカー」として気候も風土も異なる異国の地・日本で使うということは、そのクルマを通してかの地の国民性や気候・風土を、時代を超えて追体験するということにもなる。古いスポーツカーやセダンに比べてさらに土着性が高い各国のヒストリック・コマーシャル・ビークルをあえて手に入れるということは、そんな崇高な趣味心の発露ともいえよう。

■車両取材協力

晨風
住所:千葉県市原市千種1-8-1
TEL:0436-20-2777
https://shinpu.jpn.com

■ミニカー協力

サンリッチジャパン
https://www.sunrich.jp

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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