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99台限定!! アストンとザガートがコラボした「DB7」はどうして生まれた? スタイリングは日本人が担当

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: Courtesy of RM Sotheby's

世界限定99台は、もはや超レアではない?

 DB7ザガートが登場した21世紀初頭の時点で、アストンマーティン&ザガートによる至高のWネームは15年以上にわたって途絶えていたことも加味して、デビュー直後には目の肥えた愛好家からかなり多くの注文を受けたといわれているが、メーカー側の意向によって生産は全世界で99台に限定され、そのうち今回の「St. Moritz」オークション出品車両、シャシーナンバー#700046は生産バージョンの46番目にあたる。

 この個体は、2003年12月2日にスイスで登録・納車された。新車で購入したのは1979年のル・マン24時間レースにて総合4位に入賞した経験もあるスイス人レーシングドライバー、マルコ・ヴァノーリ氏。以来、約19年にわたってスイスに生息している。

 グレーにクラシックなキルト仕上げのブラックレザートリムをあしらった、この壮大なアストンマーティンのオドメーターに刻まれた走行距離は、今回のオークション出品にあたって製作されたカタログの製作段階でわずか16126km。年間平均すれば900km未満であるにもかかわらず、これまで入念なメンテナンスを受けてきた。

 記録簿にはロンドンの供給ディーラー「ストラトストーン」およびヨーロッパの有名なスペシャリスト「エミール・フレイ&ルース・エンジニアリング」によって受けたサービスが克明に記録されている。

 もちろん取扱説明書や純正ツールも添付されており、この個体は国際マーケットに売りに出される機会も少ないアストンマーティンDB7ザガートの中でも、かなり優れた一台である、との認識がWEBカタログ内でも語られている。

 にもかかわらず、RMサザビーズ欧州本社では25万~32万スイスフラン(邦貨換算約3690万~約4720万円)という、少々控えめにも感じられるエスティメート(推定落札価格)を設定していた。しかも、これだけリーズナブルな価格設定でありながらも残念ながら落札に至らなかったのは、今や99台という総生産台数が、この種のクルマとしては「超レア」とまでは言えなくなっていることを示しているのかもしれない。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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