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ダイハツ「コペンGRスポーツ」にときめく!? 元カプチーノ乗りによる正直なインプレッションをお届けします【AMWリレーインプレ】

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TEXT: AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

クローズドのままなら2名乗車でも使い勝手抜群!

 ラゲッジスペースも確認をしておこう。クローズド状態では、ゴルフバッグをまるっと飲み込む広さで、軽オープンカーとは思えぬ容量だ。カプチーノのときは、25Lボストンバッグがギリギリ2個詰める程度。しかも、オープンにすると屋根をトランクに収納するため荷室はゼロ。当時付き合っていた彼女の膝の上に荷物を置いていたなんてしょっちゅうだった。

 それに対して、コペンGRスポーツはオープンにすると、リュックサックが2個入る程度の狭さにはなるもののそれでもスペースは残り、2名乗車で同乗者の膝の上に乗せるようなことがないのが嬉しい。クローズドなら普段遣いもできるし、買い物もOKな優秀すぎるモデルとなっていた。

 しかも、だ。トランクにはイージークローザー機能が付いており、フードを下に軽く押さえつけると「うぃぃ〜ん、かちゃん」と閉まってくれる。カプチーノはトランクがスチール製だったため、凹まないために気を使ったことも思い出した。コペンGRスポーツ、やるなぁ!

 ただし、運転席と助手席の間には冊子をいれるようなネットしかない。屋根を収納するうえで、仕方ないのかもしれないが、カプチーノときは、シートバックスペースが意外にも使えたことを思い出した。

 また、平成初期の軽自動車だからと言われればそれまでだが、飲み物の収納にはかなり苦労したカプチーノだったが、コペンGRスポーツにはセンターコンソールにドリンクホルダーが用意。これには感動した。当時の軽オープンカーの不満要素が改善されしっかり盛り込まれているのだから嬉しい。

屋根が開くだけでいつも通る道が違う道になる

 撮影を済ませ、屋根を開けるタイミングがやってきた。軽自動車唯一の電動ルーフ機構を備えたコペンは、センターコンソールにあるスイッチを引くと「うぃぃ~ん」という音とともにオープンになる。昔はクルマから降りて3分割の屋根を外し、Cピラーを格納したのが懐かしい……と思っている間にフルオープンに。さすがに外気温が13度ということもあり、寒い。

 信号待ちの北風こそ冷たいが、足元のヒーターを全開にし、軽くお台場周辺を流しつつ、行きと同じ道で編集部に戻ることにした。なぜかクローズドのときは、アクセルを踏み気味で走りたい! と思ったのが、オープンにしたことでゆっくりと流したいという気持ちになった。

 同じルートを戻っているだけなのに「あれ? さっきこんな看板あったけ? あれ? こんな道通ったけ?」なんて、感じるのはオープンカーが演出してくれる開放感なのだろうか。同じ道なのに、味変をしたような感覚にさせてくれた。

 開放感を楽しみつつ、30km/h区間から50km/h区間に変わり、グッとアクセルを踏み込み走る。運転しているダイレクト感が窓を締めているため風の巻き込みはゼロだったが、胴長の身長のせいか、ルーフギリギリの頭の天辺が寒かったのは毛量が少ないからなのか……検証が必要だ。

 なんてことを思っていたら急に北風が頭上を吹く。そうだ! と思い出し、シートヒーターのスイッチを押す。おおおおおおお! あたたか~い。ヒートテックを着込んで手袋をしていた時代が懐かしく感じられた。これは最高すぎると喜んでいたところに、頬が緩んでニヤニヤしていたんだろう。歩道を歩いている若い男女に笑われた。きっと“もらい笑顔”になったに違いないと都合よく解釈しつつ、実際、本当にシートの暖かさは良かったのだ。

 平成のABCトリオもデビューから30年が経過した。ネオクラシックと呼ばれる部類に入り、部品供給の問題やそもそも程度のいい個体が少なかったりするため、気軽に手を出しにくくなってきた。

 一方で、カプチーノを例にあげると新車価格が150〜160万円。安全装備はもちろん、シートヒーターやドリンクホルダーなどがないことを考えると、コペンGRスポーツは新車価格こそ238万円(CVTモデル)と高額に見えるが、ライトチューン済みで、軽自動車という小さい枠内にスポーツ要素+普段遣い+オープンという旨みを凝縮させているのだから、リーズナブルではないだろうか。

* * *

 今回の試乗であらためて、軽オープンスポーツカーの進化に感動させられた。なにより、GRコペンを走らせると、いつも通る道なのにときめきを与えてくれるのだ。返却をして1週間以上経つが、もう1度ちゃんと向き合いたいとも思う今日この頃だった。

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  • AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)
  • AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)
  • 1991年生まれの秋田県出身。15歳のときに上京し勉学に勤しむも、高校生時代から東京都内をカメラ片手に自転車に乗って、神出鬼没、車屋巡りをする日々を送る。社会人になり、その時に出入りしていた趣味系自動車雑誌の元編集局長に呼ばれ、交通タイムス社に入社、現在に至る。イタリア車が趣味の中核ではあるものの、クルマに関連する本やミニカーを集めまくる根っからの収集癖おさまらず……。古書書籍、ミニカー、これらの山の中で生活を続けている編集者。
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