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【日産の新型軽EV「サクラ」で500キロ試乗!】欧州プレミアムブランドBEV以上の異次元感! 急速充電はたまの遠出の際がベターです

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TEXT: 斎藤慎輔  PHOTO: 斎藤慎輔/日産自動車

エアコン オンでも優秀な電費性能

 つまり、走りも快適性も軽自動車として抜き出ている。こうなると、わかっていたことではあるが、一充電走行距離の短さが評価が分かれる決定的ポイントだ。今回でいえば、急遽予約したホテルは急速充電器も普通充電器も備えていなかったので、すべて移動途中での充電となってしまったが、想像以上に電費性能に優れていたことが新たな驚きだった。

 ざっと走行と充電状況を言えば、都内スタート時のメーター表示ではバッテリー残量81%、走行可能距離116km、平均電費7.0km/kWh。そして、最初の急速充電を行った群馬県の「道の駅おおた」までの走行距離は80.3kmで、バッテリー残量は32%に、走行可能距離54kmとなった。

 この時点で平均電費は9.4km/kWhに達しており、Ecoモードでの走行が大半とはいえ、常時エアコン オンで走行していたことを思えば、予想以上の好電費であった。

 ここでは25kWの中速充電器による30分の充電で、終了時のバッテリー残量は79%、走行可能距離は127kmと表示されていた。駆動用バッテリー容量が小さいため、充電に立ち寄った際の充電器が、急速ではなく中速だったとしても、それほどガッカリさせられることが少ないのが、メリットといえばメリットかもしれない。

 その後、渋川市から急坂の続く伊香保温泉まで向かうと、走行距離は約50kmに過ぎないのに、バッテリー残量は30%に、走行可能距離はわずか39kmにまで減ってしまった。それでも平均電費は8.2km/kWhと表示されていたが、上り坂が続くような負荷の大きな走行領域では、イッキに電費が悪化することも知れた。これでは心もとないので、再び伊香保温泉のコンビニで急速充電。

 ここは20kWの中速充電器だが、それでも30分でバッテリー残量78%まで回復できた。ここから先、榛名湖へ向かうワインディングは登り坂続きなので、またしても急激にバッテリー残量は減っていく。

 そのまま榛名湖周辺およびワインディングを周遊、往復したが、伊香保温泉に戻るルートはほぼすべて下り坂なので、ここでは回生量を増やすべく、アクセルオフでの減速度が高いスポーツモードを選択して、メリハリある動きと安心感がともに備わる走りを楽しめた。

 この結果、気持ちよく走らせた割には、平均電費は悪化せず8.6km/kWhを保っており、翌日、出発時に昨日と同じコンビニの中速充電器で、バッテリー残量は90%まで回復した。走行可能距離は137kmである。

高速巡航ではさすがに電費が悪化

 2日目は赤城山に向かい、上毛三山パノラマラインなる、小さなRから大きなRまでコーナーも勾配も変化に富んだワインディングを巡りながら、赤城大沼をひと回りして帰路についた。その間、117kmを走行してバッテリー残量が20%になったところで、20kWの中速充電器で再び充電。ここまでも平均電費は9.0km/kWhを保っていた。

 そこからは、多少の寄り道をしながら自宅近くまで戻ってきたら、バッテリー残量15%となった時点で、充電を促す警告灯がメーター画面に大きく表示された。

 この際の走行可能距離は22km。通常の軽乗用車であれば、ガソリン残量で2Lくらいだから、相当にドキドキしそうなところだが、BEVに慣れてくると、あと22kmは走れるから大丈夫、といった意識に変わるから不思議だ。もちろん、近くに充電できる環境があるというのが前提ではあるのだけれど。

 高速道路で100km/h前後での巡航が増えると、やはり電費は悪化し、追い越し車線での加減速も意図して増やした走りをしてみたため、平均電費は一時6.2km/kWhまで低下していた。このあたりがサクラにとっての下限の電費だろう。この後、日産ディーラーの50kW急速充電器で充電したが、30分でバッテリー残量は77%まで回復。

 今回の旅での充電はこれで終えたが、翌日に所要で都内に出かけて戻ってきた際には、走行可能距離は50km以下になっており、充電環境のないマンション住まいの私は、結局また充電に向かうことになるのだった。

中長距離の移動は充電計画を含めて楽しむスタンスで

 結局、サクラでの長距離の移動では、充電の繰り返し旅となるのは検証するまでもないことだったが、走らせ方やルート選択次第では電費は相当に優れた数値が得られる。

 それでも、中長距離の移動には、時間の使い方やルートに工夫は必要となるが、それはサクラを選ぶユーザーにとっては折り込み済みだろう。それに、充電における高速道路のSAや道の駅など、各駅停車の旅的な楽しみ方も生まれるかもしれない。

 現段階で考えるBEVの好ましいあり方が、日本では「軽」だろうと思うことは、1泊のショートトリップでも変わることはなかったが、残る疑問として、とくに軽自動車の場合、1台のライフサイクルが登録車以上に長いなかで、バッテリー性能の維持がどこまでなされるのか、そこは気になるところである。

 それもあって、通常はバッテリーへの負荷の少ない普通充電を主としながら、急速充電はたまの遠出の際に行うというのが、サクラの使われ方として相応しいと思うのだった。

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