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なぜAT車のシフトセレクターは初見殺しが多いのか?「誤操作の防止」から「個性の演出」へと変遷した歴史を振り返ります

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TEXT: 塩見 誠(SHIOMI Makoto)  PHOTO: BMW AG/Daimler AG/Jaguar Land Rover/トヨタ自動車/日産自動車/本田技研工業/AMW編集部

バイワイヤー式でデザイナーが独自性を出しやすくなった

 こういった方式のセレクターレバーが編み出されたのは、トランスミッションと物理的に接続されていたからだ。セレクターレバーを動かすことで、トランスミッション内部のリンクを動かすという、アナログなものだった。つまりはMTと同じ理屈だ。だからこそ、フロアからセレクターレバーが生えているクルマが多かったし、操作方法にも大きな違いがなかったのだ。コラム式ATセレクターにしても、当時はロッドやリンクを介してトランスミッションに接続され、トランスミッション内部のポジション変更を行っていた。

 ところが現代のクルマに採用されているセレクターは、バイワイヤー式である。つまりセレクターはただのスイッチで、それを操作すると電気信号でトランスミッションが操作されるようになっている。そうなると、セレクターのスイッチレイアウトは、自由になる。これまでのようにセンターコンソール周辺に配置してもいいし、ステアリングに配置してもいい。操作方法もスイッチを押す、としてもいいし、ダイヤル式にしてもいい。物理的な制約が小さくなるということも含めて、クルマのデザイナーにとっては意欲をかき立てられることだろう。

重要な部分の操作方法だけは統一してほしい

 そんなこともあって、現代のクルマのセレクターは、それぞれの自動車メーカー、というよりもそれぞれのクルマごとに、個性を強く感じさせるものとなっている。おかげで、いろいろなクルマに乗る機会が多い仕事をしている人は、シートに座ったらまず、どうやって動かせばいいのかを確認しないといけなくなった。とくにエンジンブレーキをどうやってかけるのか、つまりシフトダウンはどうすればいいのかを把握しておかないと、いざという時に危険度が増すことになる。

 個人的には、PポジションやDポジションはどんなやり方、ダイヤルだろうがスイッチだろうが、どんな操作方法を使っていてもいいが、走行中の一瞬の判断で迷わないために、シフト操作だけは統一した操作方法にしてもらいたいと思っている。いやこれも、EVのワンペダル操作まで含めて考えると、違うかもしれない。右がアクセルで左がブレーキというペダル配置のように、せめてこういう重要な部分の操作方法はぜひ、統一してもらいたいものだ。

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  • 塩見 誠(SHIOMI Makoto)
  • 塩見 誠(SHIOMI Makoto)
  • 1965年生まれ。学生時代からオートバイとクルマに熱中し、自動車雑誌編集ののちフリーランスライターに。これまでAE86トレノ、CC72Vアルトワークス、E38AギャランVR-4RS、1980年式シロッコ、CD9Aランサー・エボリューション、プジョー306スタイルなど、クルマを乗り継ぐ。オートバイはCB250RS、RZ250、ZZ-R1100、T-MAXなどつねに複数台所有。現在の愛車はフタ桁ナンバーのアルファ ロメオ156V6とサーキット遊び用のNCP91ヴィッツRS・TRDターボM、JA45クロスカブ。
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