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初心者にオススメのタイムアップの秘策をお教えします! 肝心なのは「ブレーキ」と「タイヤ」選び

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: AUTO MESSE WEB

  • コペンの走り

  • 軽自動車のタイヤ
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タイム向上=パワーアップとは限らない

 パワーを上げれば上げるほどサーキットでは速く走れる。そう考えてエンジン系のチューニングばかりを優先し、他がおろそかになりバランスを崩してしまった、なんて苦い思い出を持つ人も決して少なくないはず。

 確かにストレートの長いコースならパワーがあるに越したことはなく、ある程度のテクニックを持つ人なら振りまわされることもないだろう。しかしサーキットに限らずもっとも重要なのはバランスで、パワーだけを上げたら逆に扱いにくくなり踏むに踏めず、タイムどころか楽しさまでスポイルしてしまう可能性がある。ではパワーを上げる前にやっておくべき、タイムに直結するチューニングは何だろうか。

確実に止まるための「ブレーキ」は優先項目の代表格

 最優先は安全性にも大きく影響するブレーキ。パワーアップすれば直線での最高速が伸びてタイムは縮まるはずだが、ブレーキの静動力が足りなければ減速を始めるポイントも手前になり、遅くなるとまでは言わずともパワーアップに見合った成果が伴うとは限らない。止まり切らなければコースアウトという悲惨な結末が待っており、フェード現象やベーパーロック現象を引き起こす危険性も高くなる。

愛車の仕様に合わせることが重要な「タイヤ選び」

 ブレーキと同じくらい大切なのがタイヤ。近年はラジアルタイヤのハイエンドからひとつ手前、通称セカンドグレードのタイヤで走る人も多い。ローパワーなコンパクトカーや軽自動車にはとくに有効で、パワーが上がればタイヤのキャパシティをオーバーし、タイムアップどころか普通に走ることすら困難になる。最高速や加速が遅くなるほど過剰なグリップは不要だが、パワーに見合う銘柄とサイズを選ぶことが重要と心得よう。

軽自動車のタイヤ

パワーアップだけでなく「トルクバンド」にも注目したい

 エンジンでいえばトルクやレスポンスも大事。カタログでは280psや500psなど数値ばかりに目を奪われがちだが、サーキットで大切なのはトルクを含め最大値を発生する回転域、いわゆるパワーバンドやトルクバンドがどこに存在するかだ。

 仮に400psのクルマが2台あるとしよう。そのうち1台は最大パワーが6500rpmで最大トルクを2500~4000rpmで発生し、残りの1台はパワーが7500rpmでトルクは5000~6500rpmで発生するのであれば、よりタイムを出しやすく実用的といえるエンジンは果たしてどちらだろうか。

 コースのレイアウトやギヤ比を無視して考えれば、扱いやすいのは低回転域で最大値を発生する前者。ホンダVTECに代表される超高回転型といわれるエンジンは、シフトアップする際のドロップを考慮したギヤ比になっているが、ターボ車を中心とする多くのクルマは燃費の関係でワイドなギヤ比となっていることが多い。

 そこに風量の大きいタービンやハイカムを装着すれば自ずと高回転型になり、シフトアップでパワーバンドやトルクバンドを大きく外してしまいかねない。クロスミッションを組めば大抵のケースは解消できるが、パーツ代が高いうえ脱着や分解を伴うため工賃も安くない。

* * *

 闇雲にピークパワーだけを追求してもマイナスな結果を招くことは珍しくない。ブレーキ/タイヤ/サスペンションなどとのバランスを取ることは当然として、走るコースやドライバーの技量を踏まえてチューニングすることも大切なのだ。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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