クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CAR
  • ルノー新型「カングー」の「ディーゼル」と「ガソリン」を乗り比べ! 走りにこだわるなら迷わず「ガソリン」です
CAR
share:

ルノー新型「カングー」の「ディーゼル」と「ガソリン」を乗り比べ! 走りにこだわるなら迷わず「ガソリン」です

投稿日:

TEXT: 青山尚暉(AOYAMA Naoki)  PHOTO: 宮越孝政

静粛性はカングー史上最高レベルのガソリンモデル

では新型の場合、ガソリンターボとディーゼルターボモデルを走らせるとどうだろう。筆者の個人的な印象では、当たり前だがカングーとして新エンジンを積んだガソリンターボモデルが好印象。先代モデルとの走りの進化がより著しいからだ。

具体的には比較的クイックになったステアリングのスムーズさ、乗り心地を犠牲にせずロールを抑えた左右の姿勢変化の少なさ、カーブや山道で4輪のタイヤが路面に張り付くような安定感の高さ……。といったところはパワーユニットを問わないが、ガソリンターボモデルはさらに走り出しの滑るようにスムーズな加速感、軽々としたアクセルペダルもあって右足の踏み加減によって自在にスピードコントロールできる柔軟かつ速度を高めるほど活発になり、気持ち良さを増す動力性能を持ち合わせていた。

そして何と言ってもルーテシアでも感動したエンジン回転フィールの気持ち良さが、ついにカングーでも味わえるようになった点に感動しきりなのである。もちろん、静粛性もカングー史上最高レベルにあると言っていい。

しかも、カーブや山道での走行性能は鼻先の軽さが功を奏し、スッとノーズがインを向き、キビキビと走るファンと言っていい操縦性が光るのだ。

エンジンを中高回転まで回すシーンでは頼もしいトルクを発揮する

一方、ディーゼルターボモデルは、先代よりもトルクアップしたとは言うものの、走り出しのトルク感はそうも感じにくく、動力性能とアクセルペダルの反応ともに極めて穏やかな印象だ。つまり、出足からモリモリと沸き上がるようなトルク感は持ち合わせていないということだ。

ほぼ同パワーユニットの先代モデルより車重が130kgも重くなったこともその一因だろうし、新型同士でガソリンターボモデルと比較しても90kg重く、最大トルクも3.0kgmの上乗せにとどまるからだ。もっとも、登坂路などでエンジンを中高回転まで回すシーンでは頼もしいトルクを発揮してくれる。ルノー カングー インテンス

また、静粛性にもこだわった新型だが、ディーゼルターボエンジンのノイズ、振動はやはりそれなりに届き、車内の静かさではガソリンターボが上。飛ばしたときの操縦性にしても、ガソリンターボモデルのような鼻先の軽さ、軽快さが感じられないのも事実なのである。

もちろん、WLTCモード燃費ではディーゼルターボのほうが12%ほどよく、燃料がガソリンより安い軽油となるため、足の長さや燃料代にこだわるのであれば、ディーゼルターボモデルの選択はアリ。動的質感で先代モデルのような穏やかでおっとりした感覚を望むユーザーにとっては、こちらが向いているとも言える。

結論:ガソリンモデルは国産同種のクルマとは別次元の走りの楽しさ

しかし、根っからのカングーファンではない、新規のユーザーにとっては(価格の高騰もあって300-400万円級の国産Mクラスミニバン、輸入コンパクトカーなどからの流入があるはず)、くどいようだがルーテシアでも発揮される1.3Lガソリンターボエンジンの気持ち良さと静かさ、ドライブフィールは極めて現代的であるため、とくに国産同種のクルマとは別次元の走りの楽しさ、所有する満足感、使い勝手が得られるに違いない。

先代カングーのガソリンモデルからの乗り換えだとしても、新型のガソリンターボモデルは、こと走りに関しては、想像以上の出来栄えだと感じるはずである。購入時にはぜひ両モデルを乗り比べて、価格差、ランニングコスト差、ドライブフィールの好みなどを吟味して選択していただきたい。

なお、このあと新型カングーのアウトドア適性度、愛犬家と愛犬にとっての適性度についても報告したい。

12
すべて表示
  • 青山尚暉(AOYAMA Naoki)
  • 青山尚暉(AOYAMA Naoki)
  • 学生時代からプロミュージシャンとして活動し、ある日突然自動車専門誌、輸入車専門誌の編集者に転身。その後、モータージャーナリストに。新車試乗記やクルマコラムの執筆だけでなく、1台のクルマに対して20カ所以上を独自開発ツールで計測する車両パッケージ解説にもこだわりまくる性分。また、ドッグライフプロデューサーとしても活動し、愛犬とのドライブ術、ペットと泊まれる宿について情報発信。Web、専門誌、一般誌、ラジオ、TV、インターペット、キャンピングカーショーなどで「愛犬との快適安心な旅スタイル」を提言。小学館@DIME、PETomorrowなどでは愛犬とのライフスタイル、ドッグフレンドリーカー記事を展開中。カートップの連載「CT DOG」をまとめた『愛犬と乗るクルマ』はドッグフレンドリーカー選び、愛犬とのドライブ旅行のバイブルとなるムック本。著書に「ぼくたちの外車獲得宣言」「ムリしないで外車が買える本」「すごい海外旅行術」など。輸入車の純正ペットアクセサリーの企画、開発、デザインにも携わっている。趣味はスニーカー、バッグ、帽子の蒐集。今も音楽をいい音で聴くことにこだわり、愛車のサウンドシステムは総出力400W 10チャンネル9スピーカーで構成されるデンマークの「DYNAUDIO」。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(1994年~)。
著者一覧 >

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS