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ボディコンがあだになった!? 日産「バイオレット」が名車になれなかった理由を解説します【国産名車グラフィティ】

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TEXT: 片岡英明  PHOTO: 佐藤靖彦/日産ヘリテージコレクション/AUTO MESSE WEB編集部

斬新なキャラクターラインや細部までの造り込みで誰もを魅了するスタイルだったが……

エクステリアは、ウエービングしたラインと柔らかい面で構成され、セダンであっても若さみなぎるデザインだ。ストリームラインと名付けられた、うねった動きのあるプレスラインが特徴的で、ウェーブの効いたウエストラインを描いている。

フロントマスクは、深いコーンの中にデュアルの丸型ヘッドライトを埋め込んだデザイン。ヘッドライト周辺からグリルまで樹脂で成形しているため、立体感が際立つ形状を実現している。バンパーは両端を引き上げた形状で、突き出したフェンダーとの一体感が強調されている。

セダンはセミファストバックのシルエットが新鮮。だが、運転席からの視界が良好だった510ブルーバードから乗り換えたタクシードライバーから後方視界の悪さを指摘され、運転に気を遣うという不満が出ていた。

そこで1976年2月、セダンは大手術を敢行。平凡なノッチバックスタイルに生まれ変わった。 ハードトップは、ドアから後方をファストバックとし、ブルーバードUやC110型スカイライン(ケンメリ)などと同じ手法の切れ上がったウインドウグラフィックとなった。また、リアウインドウに逆Rガラスを採用し、ルーフからトランクリッドへのラインをつなげ、美しさとともに個性を打ち出した。リアコンビネーションランプはL字型で、ガーニッシュを挟み込んでいる。

インテリアは、B210型サニーに似たデザインテイストで、プラスチックも積極的に採用。ダッシュボードは水平基調で広がり感を強調している。メーターパネルはダッシュボード中央まで占領し、運転席正面には大型の丸型3眼メーターが並ぶ。

主力グレードは、3眼メーターの右が燃料計と水温計を並べたコンビネーション、中央がスピードメーターで、左端がタコメーターだ。チャージランプとオイル、パーキングブレーキの3つの警告灯は、その中に組み込んでいる。廉価グレードや商用のバンはタコメーターを省いているが、3眼メーターとなる。

ヘッドライトなどのスイッチは1本のレバーにまとめられ、ステアリングから手を離すことなく操作できるようになった。安全装備を充実させたことにも注目。だが、GLでも運転席と助手席のシートベルトは3点式ではなく2点式と、詰めの甘さも見られた。スポーティな走りを実現するが、名車になれなかった悲運のパーソナルセダンとクーペだ。

バイオレット ハードトップ 1600SSS-E(KP710)
●年式:1973
●全長×全幅×全高:4120mm×1580mm×1375mm
●ホイールベース:2450mm
●トレッド(F/ R):1310/1320mm
●車両重量:1005kg
●エンジン:L16E型直4SOHC+EGI
●総排気量:1595cc
●最高出力:115ps/6200rpm
●最大トルク:14.6kgm(143Nm)/4400rpm
●変速機:5速MT
●駆動方式:FR
●サスペンション(F/R):ストラット/セミトレーリングアーム
●ブレーキ(F/R):ディスク/ドラム
●タイヤ:6.45S-13-4PR

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