クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • いまなら「ジムニー」のカウンターになれたダイハツ「ミラRV-4」とは? バブル末期に生まれた珍車は今見ても新鮮です
CLASSIC
share:

いまなら「ジムニー」のカウンターになれたダイハツ「ミラRV-4」とは? バブル末期に生まれた珍車は今見ても新鮮です

投稿日:

TEXT: 小鮒康一(KOBUNA Koichi)  PHOTO: ダイハツ工業/AMW編集部

時代を先取りしすぎた1台

未だに留まることを知らないクロスオーバーSUVブームは、日本独自の規格である軽自動車においても同様で、本格的な軽オフローダーとして知られるジムニーを擁するスズキは2014年にいち早くハスラーをリリース。一方で、軽自動車のジャンルでしのぎを削っているライバルメーカーのダイハツは2020年にタフトをリリースして猛追している。

30年以上前からあったRVテイストのミラ

さらにスーパーハイト軽ワゴンのジャンルでも、スズキがスペーシアギアでクロスオーバーモデルを投入すればダイハツもタントファンクロスで後を追うというように、両メーカーバチバチのライバル争いをしているのだ。

現在ではスズキの後追いをしているようにも見えるダイハツだが、実は今から遡ること30年以上前に当時のベーシックモデルであるミラをベースに、クロスオーバーSUVモデルを先んじてリリースしていた過去があった。それが1992年8月に登場した「ミラRV-4」である。

マイナーチェンジのタイミングで追加されたミラRV-4は、その名の通りRVテイストをミラにプラスしたモデルであり、車名に備わる4の数字は四輪駆動であることを示している。

ベースモデルは「TR-XX X4」

ベースとなったのはミラの中でもスポーティなグレードとなっていた「TR-XX X4」であり、3ドアのボディにフルタイム4WDと自主規制値いっぱいの64psを発生するインタークーラーターボエンジンを搭載していた。

そこに大型のバンパーガードやアンダーガード、背面スペアタイヤにルーフレールといったRV車特有の装備をプラスし、最低地上高を高めた専用サスペンションなどで仕立てられていた。数々の専用パーツ分の重量がかさむために、ターボモデルがベースになったと勘ぐってしまうほど。

さらにメーカーオプションではキャンバストップ仕様も選ぶことができるなど、当時のRV車に備わっていた人気の装備がすべて集結したよくばりセット的な仕様となっていたのである。ダイハツ ミラRV-4

ただそれだけに価格も高額に。MT車で134.5万円、AT車で143.5万円と、ベースとなったTR-XX X4よりも15万円以上高い堂々の最高額車両となってしまい、当時最もベーシックなモデルで55万円という低価格のミラの中でも異質な存在となってしまった。

短命に終わったミラRV-4

そしてミラRV-4が登場して2年後にはミラ本体がフルモデルチェンジを実施したため、結果的に非常にレアなモデルとなってしまったのである。

当時もどちらかというと珍車扱いされていたミラRV-4ではあるが、クロスオーバーSUVブーム全盛の現在に生まれていたらもう少し違う結果になっていたかもしれないと思うと、時代を先取りしすぎた1台と言えるのではないだろうか。

余談ではあるが、マレーシアではダイハツとマレーシア資本の合弁会社であるプロドゥアからカンチルという車名で3代目ミラが2009年まで販売され、現地ではカスタムのベース車としても人気となっている。熱心な現地ユーザーは日本からRV-4のパーツを輸入し、正規には存在しない5ドアのRV-4を作るなど、魔改造をされている姿を目にすることもあるようだ。

すべて表示

 

 

 

 

 

ranking

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

ranking

AMW SPECIAL CONTENTS