モータースポーツ界を代表する人気コンビがドライブ
日本を代表するGTレースとして、海外でも人気の高い「SUPER GT(以下、スーパーGT)」。GT300クラスは国内外のメーカーがしのぎを削っている。世界的に人気のFIA GT3車両をはじめ、JAF-GT、マザーシャシーと3タイプのマシンが混走し、毎戦で激しい戦いが繰り広げられている。今シーズンを戦う27台のなかから、今回は4号車グッドスマイル 初音ミク AMGで戦う「GOODSMILE RACING & TeamUKYO」を紹介しよう。
初音ミクをデザインしたマシンは国内外で人気に
フィギュアメーカー、グッドスマイルカンパニーが2010年に設立したチーム。スーパーGTのGT300クラスには、2008年よりメインスポンサーとしてエントリーしており、2010年のチームの設立に合わせて本格的な参戦を開始した。
マシンはポルシェ911 GT3 RSRを投入していたが、2011年にはBMW Z4 GT3に変更。この主力モデルのスイッチが功を奏したのか、谷口信輝/番場 琢が猛威を振るい、第3戦のマレーシアにてポール・トゥ・ウインでの初優勝を成し遂げた。さらに第6戦の富士、第8戦のもてぎでもポール・トゥ・ウインを果たし、計3勝をマークした同チームがドライバー部門およびチーム部門で2冠を達成した。
まさにチーム設立からわずか2年目にしてGT300クラスの頂点に上り詰めた同チームは、2013年にドライバーラインナップを谷口/片岡龍也に変更。その結果、第6戦・富士、第7戦・オートポリスと2勝をマークしている。その勢いは2014年も衰えることはなく、開幕2連勝を含めて計4回のポディウムフィニッシュを果たした谷口/片岡がドライバー部門でチャンピオンに輝いた。
その後は勝利から遠ざかっていたGOODSMILE RACING & TeamUKYOの4号車だったが、2017年の開幕戦・岡山ではメルセデスAMG GT3を武器に谷口/片岡が3年ぶりの勝利に輝いた。その後も4号車は第5戦の富士および第7戦のタイで2位入賞を果たしたことでドライバー部門/チーム部門の2冠を達成。まさにGOODSMILE RACING & TeamUKYOは GT300クラスにおいて名門チームとして定着したのである。
2018年以降は苦戦が続いていたが、2022年の第5戦・鈴鹿で、名門復活をアピールするかのように、5年ぶりに勝利したことは記憶に新しい。
それだけに2023年も同チームに対する期待値は高い。ドライバーはコンビ結成10年目となる谷口/片岡で、主力モデルのメルセデスAMG GT3も完成度が抜群である。しかも、チーム監督はレースを知り尽くした片山右京とソフト/ハードともに充実したパッケージだ。序盤戦は目立った成績を残せていないが、もともと底力を持つだけに、後半戦ではGOODSMILE RACING & TeamUKYOが上位争いを左右することになるだろう。