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「ちょい乗り」とは何キロまで? 繰り返すとクルマを傷めてしまう理由をカンタンに解説します

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: AMW

  • エンジンもミッションもその他の駆動系も、走り出して、オイルが十分行き渡り、適正温度に達したときに、最善になるよう設計されている
  • タイヤも低温のままだとグリップが低いので摩耗が進みやすい
  • バッテリーもチョイ乗りで傷むパーツのひとつだ
  • ちょい乗りはマフラーにたまった水分も蒸発しない
  • 8km以内の走行は「シビアコンディション」となる

8km未満の走行がシビアコンディションにあたる

クルマを日常の足として使う人の中には、近所のスーパーやコンビニまでの移動に使う人もいると思います。いわゆる「ちょい乗り」と呼ばれる短距離走行のことを示す言葉ですが、具体的な定義や基準があることをご存知でしょうか。詳しく解説します。

たまにはクルマの運動不足を解消する必要がある

クルマは動くことを前提に設計されているため、長期間駐車したまま動かさないことが1番クルマにダメージを与える。その次に問題なのが、いわゆるちょい乗りだ。要するに1回の走行距離が短い、短距離走行の繰り返しがクルマを傷める原因になる。ではそのチョイ乗りとは、およそ何kmぐらいの走行距離を指すのだろうか。

目安になるのは、自動車メーカーが公表している「シビアコンディション」の解説だ。例えばホンダのホームページには下記のように記してある。

・短距離の繰返し走行が多い(目安:8km/回)

・外気温が氷点下での繰り返し走行が多い

・低速走行が多い場合(目安:30km/h以下)

・アイドリング状態が多い

またスバルでも、短距離走行のくり返し(1回の走行距離が8km以下が多い場合)をシビアコンディションの条件として記しているため、チョイ乗りとは「1回の走行=8km以下」をひとつの基準と考えていいだろう。

ちなみにチョイ乗りの弊害は、エンジンやオイルが充分に温まらないまま、走行が終了してしまうことで生じる。エンジンやトランスミッション、その他の駆動系も走り出してオイルが十分行き渡り、適正温度に達したときに最善になるよう設計されているため、ちょい乗りだけではオイルも温まりきらず、粘性が高いままで本来の性能が発揮できない……。

また水温が低いときは、燃料も普段より濃い目に噴射されている。その影響でオイルもガソリンで希釈されオイルの性能を低下させる原因になる(油温が上昇した状態が続けば、燃え残ってオイルに溶けたガソリンも揮発する)。

オイルだけでなく、各部のグリスやベアリング、ブッシュ類も温まらなく、マフラーにたまった水分も蒸発しない(ガソリンが燃焼するとガソリンに含まれる水素が酸素と結合し水蒸気になり、それが結露してマフラー内に水分が残る)。

そしてバッテリーもちょい乗りで傷むパーツのひとつだ。バッテリーはエンジン始動時に一番大きな仕事をするが、8km以内の走行では、スターターを回した分だけの電気を十分充電できないケースが多く、バッテリーの寿命を縮める原因になってしまう。

その他、タイヤも低温のままだとグリップが低いので摩耗が進みやすく、ダンパーのオイルやブレーキもある程度温めてあげないと性能を発揮できない…。

というわけで、意味なく遠回りするのは奨励できないが、どうしてもチョイ乗りがメインになってしまう人は、ときどきルートを変えて、1回に8km以上(15分~20分)は連続して走行し、クルマの運動不足を解消して健康状態を保ちやすくしてあげよう。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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