走行距離504キロの新車コンディション
ボディカラーはLFAの中でも人気の「9K5」オレンジで、インテリアはレッドとブラックのアルカンターラでフィニッシュされた唯一のモデルと推察される。フロントミッドに搭載されるエンジンは、570psにまで強化された(スタンダードなLFAは560ps)4.8LのV型10気筒。軽量な20インチ径BBS製のマグネシウム・ホイール、クリア塗装のフロントリップスポイラーやバンパーカナードなどは、このニュルブルクリンクパッケージの専用アイテムで、さらにリアには大型の固定式カーボンウイングが装着されている。
サスペンションの専用チューニングによって車高は10mmローダウンされ、ブレーキもフロントに390mm径カーボンセラミックディスク+6ピストン対向モノブロック・キャリパー、リアには同じく360mm径ディスク+4ピストン・キャリパーが備わる。
このような日本という国こそが生み出す、極上のパフォーマンスとエクスクルーシブ性を持つLFAが、プライベート・コレクションで長い時間を過ごすことになるのも不思議なことではない。この336号車は2021年にシカゴを拠点とする有名なコレクションに購入され、2022年には右フロントショックアッセンブリーとバッテリー交換などのサービスを受けた。直近では現オーナーによって空調管理された倉庫に保管されている。
現在オドメーターは、わずか315マイル(約504km)を示すのみ。タイヤのコンディションも含め、次のオーナーによって保管される準備はすべて整っている。オリジナルのオーナーズマニュアル、アッセンブリー写真、サービス記録などももちろん車両とともに提供されるという最上の1台だったのだが、残念ながら今回はこのモデルを落札するビッター(入札者)は現れなかった。はたして次に、我々がLFAニュルブルクリンクパッケージをオークション・シーンで見ることができるのは、いつのことになるのだろうか。