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3/4サイズの「セブン」は50ccの原付カー! ワンオフで製作してナンバー取得済み。左足アクセル仕様の理由とは【マイクロカー図鑑】

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 近藤浩之(KONDO Hiroyuki)

原付カー趣味を通じて再び前向きな気持ちが湧き起こった

そんな失意の中村さんを救ってくれたのが、小さな原付カーだった。友人が左半身だけで運転できるように改造してくれたミツオカ「MC-1」のドライブをきっかけに再び前向きな気持ちが湧き起こり、リハビリと並行してさまざまな原付カーを中古車店や個人売買で手に入れて整備やレストアを行い、また各地のイベントにも積極的に参加。原付カーを通じて同じような趣味嗜好の仲間も増え……といった具合だ。

「さすがに歳も歳だから、ここ最近はけっこう断捨離してます」

という中村さんのガレージ&工房だが、それでもなお、おびただしい数の原付カー(と、そのパーツや残骸?)がみてとれる。

そしてそれらの中でもひと際目を引いた1台が、今回ご紹介する小さな「セブン」だ。原寸大(=本物の)セブンもそのシンプルな構造から類似のスポーツカーが各国で作られたが、これはさらにそれら実物の3/4程度に縮小された、いわば公道を走るスケールモデルである。

自分専用仕様に仕上げた「セブン50」はナンバー取得済み

やはりこの趣味を通じて知己を得た、レース車両製作のスペシャリスト「ノーチラススポーツカーズ」にオーダーして制作されたベース車両を、中村さんが自身の工房で自分専用仕様にカスタム&モディファイを加え完成させたのが、この「セブン50」である。

エンジンやサスペンションなどには中国製小型バギーのパーツが巧みに流用されており、もちろん原付カーとしてナンバーも取得済みで公道走行も可能だ。

元ネタとなった「原寸大」のケータハム「セブン」は今でも新車で販売されているが、思い起こせばそのルーツとなったロータス「マーク6」や「セブン」はその多くが完成車としてではなくキットフォームで販売され、ユーザーが自分の好みの仕様に仕上げていったという歴史がある。「クルマはマーケットに向けたビジネスなどではなく、ごく私的な趣味であり人生そのもの」。そんな英国バックヤード・ビルダーの生き様にも通じる中村さんとセブン50の幸せな関係、そして素晴らしき原付カー人生なのだった。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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