世界に1台!? 幻のマシンの超貴重なレプリカに釘付け
私が一番気になった車両はアバルト「T140」でしょうか。6L V12エンジンのとんでもないエキゾーストノートを轟かせていました。1967年に開発が始まったT140は、ル・マン24時間レースを目指すも、その年のル・マンの後に排気量のレギュレーションの改正が行われ、この6Lエンジンでは参戦ができなくなったことが明確になり、プロジェクトは打ち切りに。展示されたT140は、決して世に出ることのなかった幻のマシンをバイエルン州在住の方がすべて忠実に手作業で再現したレプリカだそう。レプリカとはいえ、世界にたった1台しかない超貴重なマシンです。
会場を見渡す限り、一番数が多かったのは新旧の500やアバルトですが、最近のフェラーリやランボルギーニもちらほら。珍しいクルマを撮ろうとカメラを持って待ち構える方たちが、近隣の道路にずらっと並んでおられました。小さな少年が「ディアブロだ!」とコーフンして追いかけていくシーンはなかなか可愛らしく、まるで昭和のスーパーカーブームのようでした。イベントの時間中、会場の端にはミュンヘン警察のパトカーが1台待機していましたが、イタリアマフィアの抗争を想定していたのでしょうか?(笑)
破格なイベント特別プライスの旧車たちに心がグラつく……
展示車両には販売中のものもあり価格が記載されていたのですが、ビックリするほどの高額のものから、ちょっと頑張れば手に入る旧車まで並んでおり、このイベントがきっかけで沼にハマる方もおられたのではないかと想像してしまいます。とくに2万ユーロ以下のお手軽車両の前では、何度も車両を見ながら考え込む方を何名もお見かけしました。「買っちゃおうか、どうしようか」、そのお背中から察しました(笑)。また、イベント特別価格で少しお安くなっていたのですから、その魅力的な価格にグラついてしまいますよね。
ものすごく丁寧に手入れされた旧車を見ると、私も思わず欲しくなります。しかし、オーナーたちは日頃から手間暇とお金を惜しみなく費やし、整備を重ねて大切にしておられるからこそ楽しめるのですよね。それができないのならクルマに大変失礼だなと、ハッと我に返るのです。このようなイベントで貴重なクルマを見せていただける機会があるだけで十分にシアワセですね。

会場を何周もして存分に楽しんだ後は、炎天下の中を再びママチャリを漕いで自宅へと向かいましたが、あまりの暑さに思わずアイス屋に吸い込まれてピットインをしてしまいました。ちなみにアイスクリームとジェラートは、単なる英語かイタリア語かという違いだけではなく、原料や製法、温度管理等、さまざまな点で異なるらしいのですが、私にとってはおいしければそれで良いのです(笑)。


















































































































































