山歩きビギナーはまず体力づくりから
次は旅のメンバーである。ハイキングには、“隊長”と奥さんの真由美さんのほかに、ふたりの旅行代理店時代の同僚である原田さんという女性が参加することになった。本格的な山歩きの経験はないが、スペインのサンティアゴ巡礼や四国のお遍路さんを体験して、歩くことには自信があるという話だった。
ただ、テントを建てたこともなければ、寝袋で寝たこともないという。いろいろな装備をそろえるところからスタートだ。“隊長”夫妻はLA在住だが、原田さんは東京に住んでいる。シエラネバダに関しては先輩のぼくが、準備に関して相談に乗ることになった。
「まったく分からないんですが、大丈夫でしょうか」
不安げな原田さんに、「まだ、半年以上ありますから、今から準備すれば大丈夫ですよ」と声をかけた。装備はどうにでもなるが、15kgのバックパックを背負って3000m級の峠を越えるにはかなりの体力が要求される。半年くらい、みっちりジムトレーニングをする必要がある。「準備」とは体力のことだ。
ミシシッピでは旧知のカメラマンも合流することに
次にミシシッピである。まず、ぼくが声をかけたのはカメラマンの宮澤さんだ。趣味はギター。それも、ブルースギターときている。風体もなんとなくブルースマンらしくて、今回の企画にドンピシャの人材なのである。しかし、単行本の企画にはカメラマンの予算がない。著者(ぼく)が写真も撮ってくるのが原則なのだ。
「エアチケットとレンタカーはなんとかするけど、そのほかは自腹だよ」と話すと、「それでも行きたいですね」と、ボソリとひと言。これもまた半年以上先なので、じっくり検討することになった。
そして、編集長のMさん。30年前に学生のときにグレイハウンド・バスでアメリカを1周
さらに、シエラネバダのハイキングも一緒に行く原田さん。ぼくの旅の計画を話すと、「私も行きた~い」と明るい声が響いた。9月半ばにマイアミ在住の友人と、大谷選手出場のドジャースの試合を観る話があるそうで、ミシシッピ、ニューオリンズの10日間の取材に同行するとちょうどいいという。山、ブルース、大谷、最後にニューヨークと、彼女もまた壮大な計画となった。
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