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エルヴィス・プレスリーの生家は驚くほど簡素! 韓国SUVのキア「スポーテージ」で音楽ゆかりの地をドライブします【ミシシッピ川ブルース旅_13】

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TEXT: 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)  PHOTO: 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)

エルヴィス・プレスリーが生まれたのは貧困と格差の町

まだ11時前だが、“キムさん”のアクセルをグッと踏み込む。今日の一番のお目当てはミシシッピ州北部のテュペロという町にあるエルヴィス・プレスリーの生家だ。まだ300kmほど北だ。ゆっくり見学するためには午後3時までに着きたい。

ジャクソンからナチェス・トレイル・パークウエイという古い街道に入る。ネイティブ・アメリカンや狩猟者が使っていた道として知られるが、今は森の中の快適なドライブ・コースになっている。途中、湖畔のビューポイントなどで休みながら、なんとか3時半に目的地に到着した。

エルヴィスの父親が自分で建てたという家は、寝室とダイニングしかない貧しい作りだった。病院に行く金もなく、エルヴィスはまさにこのベッドの上で生まれた。しかも双子の兄は死産だった。

今でこそきれいに開発されているが、当時、イースト・テュペロ地区は黒人が多く住む貧困地帯だった。驚いたのは、わずか3kmほど西に広がるテュペロ市街地との落差。鉄道が通る町は交通の要衝として栄え、立派な市庁舎や金融機関の本店、自動車博物館まである。そして、東の貧困地区との間には線路と細い川がある。それはまるでくっきりと線引きしているような残酷な景色だった。

スターになって3年目、エルヴィスは生家の保存と貧しい子どもたちためのユースセンター建設に巨額の寄付をした。貧しい生活はエルヴィスのロックンロールを生む原動力であり、生家はその象徴だったのだ。ユースセンターは、その後、プレスリー博物館となって多くのファンを迎えている。

* * *

このミシシッピの旅で筆者が取材した内容を1冊にまとめた本が2025年3月13日に発売となった。アメリカンミュージックのレジェンドたちの逸話とともに各地を紹介しているフォトエッセイ、興味のある方はぜひチェックを。

>>>『アメリカ・ミシシッピリバー 音楽の源流を辿る旅』(産業編集センター)

 

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  • 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)
  • 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)
  • アウトドア誌、ライフスタイル誌などの編集長を経験。2001年にアメリカでキャンピングカーを購入して以来、国立公園を訪ねることをライフワークとする。著書に『アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅』『自分自身を生きるには 森の聖人ソローとミューアの言葉』(ともに産業編集センター)がある。カリフォルニア州シェラネバダ山脈のジョン・ミューア・トレイルを計30日かけて踏破したレポートがデルタ航空機内誌「sky」に掲載され、カリフォルニア観光局のメディア・アンバサダー最優秀賞を受賞。
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